2016年11月4日

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カンボジア、タイの喪服需要がアパレル部門を押し上げ

カンボジア、タイの喪服需要がアパレル部門を押し上げ

2016年10月13日のタイのプミポン国王のご逝去は、カンボジアのアパレル部門に特需をもたらすことが予想されている。国王の逝去によりタイ政府は、公務員は1年間、一般人は30日間喪に服し、全ての国民に対してタイで伝統的に弔意を示す色である黒と白の衣服を着用することを求めることを発表した。

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新聞、ウェブサイト、テレビ放送においても色彩が除かれ、娯楽やお祝いの会は強く自粛を要請された。先週の土曜日に20万人以上の国民がバンコクのSanam Luangに集まり、故Bhumibol Adulyadej国王に弔意を示して国王賛歌の合唱を行ったが、ほぼ全員が喪服を着用していた。
 
長期間君臨した国王逝去のニュースはアパレル産業に不意にもたらされた。黒は公式、または準公式のイベントを除いてタイで好んで着用される色ではなく、タイ人は昔からより鮮やかな色でスタイリッシュな衣服を好む。6600万人の国民が突然あらゆる種類の黒の衣服を求めることにより、従来のサプライチェーンによる供給が限界に達したため、タイの貿易商らはこの爆発的な需要増に対応するため、恥ずかしげもなく価格を吊り上げ始めた。
 
同時期にタイの地元局では、超王党派による自警団が黒い服を着ていない非国民を暴行し、公に非難するなどの多くの事件が報道された。過激な超王党派の攻撃にさらされた人々の多くは、単に新しい服を購入する余裕がなかっただけだったということが報告されている。(慈善団体である)Samaritansの支援により、人々が手持ちの衣料品を持ち寄り、無料で黒に染め直すことができる場所が全国に設定された。
 
一方でカンボジアのアパレル部門にとって、このニュースは朗報となった。生産に余力のある工場ではタイ輸出向けに黒の衣料品生産に切り替え、カンボジアにおける黒服に対する需要は衰える兆しがない。
 
カンダル州の小さな縫製工場であるKBカンボジアのVichara Kosalオーナーによると、タイは彼女の工場が生産できる限りの黒の製品を全て引き取っているという。The Phnom Penh Post紙のインタビューにおいて、Vichara氏は次のように述べた。「タイでは綿の在庫が不足していますが、数百万人ものタイ人が求めているため需要はますます高まっています。」しかしながらこの特需は、小さなカンボジアの衣料品メーカーにとって厳しいことに、この5~6ヵ月間に集中していると続けた。
 
「バイヤーはPoipetの町におり、衣料品をカンボジアで購入してタイで販売します。彼らはタイで多くの注文を受けた後、カンボジアのいくつかの工場に縫製の注文を出しています。私の工場で生産できるものなら何でもすべて引き取ると彼らは言っています。」と彼女は述べた。
 
しかしこうした楽観的な見通しにもかかわらず、カンボジア縫製業協会(GMAC)のKen Loo書記長は、タイの喪服需要の高まりがカンボジアのアパレル部門の成長を後押しするとの意見について一蹴した。 「そういった需要があるとしても、全体に影響を与えるほどではありません。」とLoo書記長は述べた。 「それはトレンドというべきものではないためです。」
 
毎年定例となっているアパレル産業の賃金交渉に先んじてGMACは先月、現在の月額140米ドルの最低賃金がカンボジアの労働組合が要求する171米ドルに増加した場合、カンボジアのアパレル部門は海外向けの契約を失うリスクがあると主張した。
 
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_2626.html

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