2016年10月26日

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ベトナム、ようやく進み始めた規制緩和、繊維産業に成長の兆し

ベトナム、ようやく進み始めた規制緩和、繊維産業に成長の兆し

ベトナム商工省は、企業とって大きな障害となっていた、繊維製品におけるホルムアルデヒド含有量の試験を撤廃した。繊維・アパレル製品中のホルムアルデヒド含有量試験は、法的根拠に欠け、費用・時間がかかるものであるとし、企業はTran Tuan Anh大臣の、含有量試験について定めた通達37号の撤回の発表に歓迎の意を示した。

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通達は昨年10月にVu Huy Hoang前大臣によって正式に発行されたもので、2009年に発表された文書と同様の基準に加え、最新の試験方法と品質管理の要件を反映したサンプリング法の要件が追加されていた。
 
ホルムアルデヒド含有量のチェックには通常3-7日間かかり、例え衣料1メートルであろうがボタン一つであろうが、サンプル一点につき150-250万ベトナム・ドン(68-90米ドル)の試験費用が発生していたため、通達の発行後も企業からの強い反発が起こっていた。1企業あたりの試験費用が年間数億〜数十億ベトナム・ドンに至ることもあり、現在までに何の結果も見出せていないことからも、議会においては幾度となく試験の撤廃に関しての議論が持ち上がっていた。
 
中央経済管理研究所によると、企業にとって時間や費用のかかる、非合理的な規制は数多くあるという。ベトナム税関総局のNguyen Van Can長官は、通達37号に類似する規制も数多く存在することを認めており、省庁や機関が規制を見直し、より効率的に業務を行えるようにして欲しいと述べた。「規制の見直しはごく遅々と行われています。」と彼は言う。

また中央経済管理研究所によると、繊維製品は商工省管理下の安全管理製品一覧に入っておらず、商工省は通達を発行することにより法に違反していたという。同省は通達37号の発行後に繊維製品を一覧に加える通達41号を発行しており、通達37号は法的根拠のないままとなっていた。
 
企業の訴えによると、過去7年間に数多くの試験やチェックを余儀なくされたが、ほんの一握りの製品のみが規制に反していると発覚しただけであった。加えて、ホルムアルデヒドの大量使用による健康被害は一例も出ていないという。
 
Tan Son Nhat空港税関局の統計では、税関局が各年に検査する積荷8000点のうち、要件に達しなかったのは6件のみであった。非遵守の割合が1%に達したことはかつてない。
 
商工省は、通達37号に変わる新しい通達を提案する予定である。事業環境と国の競争力を改善することを目的とした政府の決議案19の実行に関する報告書の中で、計画・投資省は、古い規制が障害となっており、建築許可取得の待ち時間短縮などのゴールの達成までには時間がかかるだろうと伝えた。
 
また同省によると、監査・試験にかかる費用は昨年から変わっていないのに対し、収賄額は増加する傾向にあり、税関手続きの簡略化には実質的な業績がないという。しかしながら同省は、通達37号の様な規制が元で企業が支払った金額に関しては測れていない。
 
不条理な規制をかけることで官僚への贈賄を公認化し、企業からより多く搾取できるのは周知の事実である。そのため、通達37号の廃止により商工省は汚職を阻止し、私的な利益のために政策を利用する、規制の提案・支持者を抑制したのである。
 
Nguyen Xuan Phuc 首相が就任時に表明した様に、ベトナムでは、良好な事業環境を作り、行政手続きを改善し、企業を活性化させるのに役立つ、Tran Tuan Anh大臣と同様の判断力を必要としている。
 
ソース:http://apparelresource.asia/news/

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