中国企業の海外M&Aが世界1位に、ドイツ・アメリカが警戒
中国企業による海外企業買収の勢いは留まることを知らず、2016年1月~6月の海外M&A総額は1225億ドル(約12兆4000億円)と、過去最高だった2015年通年を既に上回った。これは世界全体の海外M&A総額の20.7%を占めており、ドイツ(18%)とアメリカ(12%)を抑えて首位にたっている。2016年通年では2千億ドルを超えるとも示唆されており、自国企業が買収されているドイツやアメリカでは中国企業に対する警戒が高まっている。
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以前は資源エネルギー分野や製造業が主な買収対象だったが、最近はハイテクや医療、小売業の買収が目立つ。また、家電量販最大手の蘇寧雲商集団によるイタリアの名門サッカークラブ「インテル・ミラノ」の買収、中国の投資家連合による本田圭佑が所属するイタリアのサッカークラブ「ACミラン」の買収など、エンターテインメント分野にも攻勢をかけている。
中国企業が海外への投資を拡大する背景には、家電など多くの製品で国内市場の成長が鈍化している状況がある。人件費が上昇し、低価格の商品を売り込むことが難しくなったことで、先進国企業の技術やブランド力、販路を獲得する動きが高まっている。
家電大手の美的集団がドイツ産業用ロボット大手クーカの株式公開買付けを行った際に、独政界・産業界で「先端企業の技術が中国に流出してしまう」という声が漏れるなど、安全保障の観点から買収を防ごうとする動きもある。米国の対米外国投資委員会も複数の案件に関して監視を強めている。
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