電動車普及へ改正 奢侈税政令 PHVなど実質免除
政府はこのほど、自動車奢侈(しゃし)品販売税(PPnBM)の設定を改正する政令「2019年第73号」を公布した。電動車の普及促進を目指す政策の一環で、二酸化炭素(CO2)排出量を基準に用いた。プラグインハイブリッド車(PHV)、バッテリー電気自動車(BEV)、燃料電池自動車(FCEV)を実質的に免税する。施行は21年10月16日。
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奢侈税率は、「乗用車(シリンダー容積3千cc未満)」の化石燃料車で15~70%。排気量やCO2排出量で変動する。この「乗用車」から低価格グリーンカー(LCGC)やハイブリッド車(HV)、PHVなどは「低炭素排出車」として分けられ、一律15%とされた。
これに加え、算定基準として、市場販売価格による課税標準を設定。規定された課税標準の割合を奢侈税率と掛けるなどして、販売時の課税率を定める。PHV、BEV、FCEVではこの課税標準からの課税割合を0%とし、実質的に免除する。
改正前の奢侈税は、セダンなど自動車の形態によっても税率が定められていた。今回の政令では乗用車での具体的な記述が見られない。インドネシア自動車工業会(ガイキンド)幹部は「国内でも世界で主流な車種の開発、普及が進み、輸出増に期待できる」と話した。
■LCGCから転換か
政府は日系自動車メーカーと協力し、LCGCの開発、普及を進めてきた。13年ごろからは、奢侈品販売税の免除など優遇策を講じていた。しかし、今回の改正で販売価格の3%程度の課税が加えられると見られる。優遇の主な対象が電動車に移った形だ。
現在ではLCGC「カリヤ(トヨタ)」や「シグラ(ダイハツ」、「ブリオ(ホンダ)」などが販売され、主力車となっている。
今回の改正が、国内市場や輸出にどう影響を与えるのか、注目される。(大野航太郎、写真も)
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