フィリピン: 《選挙》 事前運動花盛りの中 下院・地方選挙運動解禁
3年に1度、5月13日に投票が行われる選挙は、全国区の上院議員と下院議員比例政党別の選挙運動は既に始まっているが、3月29日からは下院議員地方区、自治体首長、自治体議員の選挙運動が解禁された。
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フィリピンは選挙運動に対する規制は一応あるが事前運動など野放しで、29日に解禁される以前に各候補者は資金量にものを言わせて運動を展開している。
上院選では12人の改選枠に対して76人が立候補しているが、ドゥテルテ大統領が強力に押す与党陣営が優勢で、8人前後が当選圏に入っていると予測されている。
一方、野党陣営は苦戦を強いられ、当選が確実視されているのは前回大統領選に立候補し次点となったロハス元上院議員のみで、やはり野党側の再選を目指したアキノは当選には際どい位置に付けている。
こういった大統領が推す候補者が大量当選する可能性から、同大統領の政策推進が更に補強されて、マルコス時代に逆戻りする『独裁政治』の再来かと危惧されているが、芸能人並みの知名度から来る人気投票の色合いが濃い上院投票方式では匙を投げる向きも多い。
下院議員選挙では比例政党別には60議席の枠に対して134の政党が届け出て選挙活動に入っていて、残る議席は小選挙区制で各区から選出されるが、こちらもドゥテルテ与党が有利に選挙戦を進めている。
ただし、フィリピンの与野党の在り方は世間の常識とは違い、選出された議員は大統領を産んだ政党に『寄らば大樹』と合流するのが毎回で、政策的な与野党という括りは通用しない。
これは野党に属すると地元に恩恵が薄れること、議員自身の出世欲から与党に属した方が良いという世俗的な判断であり、フィリピンでは選挙後の議員の与党への合流というのは年中行事になっている。
こういった節操のない政治家に対して選んだ選挙民は毎度のことで、実利さえあればどこに属そうが構わないのが現実となっている。
日本のように野党から与党へ移る人物を『変節漢』などと誹りを受ける政治風土はフィリピンには全くない。
全面的に解禁された選挙運動だが、選挙期間中は銃器携帯が禁止されていて、既に検問で2000人以上が逮捕されている。
また、『ホット・スポト』と称して、候補者陣営間で争いが勃発し選挙管理員会や警察が危険地域に指定した地域も多数に上がり、今後投票日が近づくに連れて殺人を含む暴力事件が発生すると、国家警察は各地の警察署に警戒と取り締まりの強化を指示した。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&command=body&no=478&
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