【フィリピン】弾圧 セブ島隣の島で 軍/警察による農民の虐殺続く
1980年代に『飢餓の島』としてクローズアップされ、日本を含めてNGO(非政府組織)などによる国際的な救援活動が行われたネグロス島で、フィリピン国軍と国家警察特殊部隊による地元農民への殺害行為が横行している。
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同島は東ネグロス州と西ネグロス州の2州で構成され、人口は400万人以上。国内有数のサトウキビ栽培地と生産量を誇るが、大地主とサトウキビ栽培に従事する小作農民の貧富の差は極端で、両者間の軋轢は高まっていた。
こういった大農園を所有する地主に対して、政府は専門機関を作って農地解放を進めるものの、大地主は地元で政治王朝を築いているためにはかばかしくなく、中世さながらの地主と小作人という関係が続いている。
このため小作人は組織を作り農地解放運動を推進するが、3月30日、解放運動に関係する14人が島内3ヶ所で軍と警察によって殺害される事件が発生した。
同島内では昨年10月20日に西ネグロス州で農民9人が武装された集団によって殺害される事件が起き、この事件に対して軍や警察は反政府武闘組織であるフィリピン共産党の軍事組織である『NPA』が起こしたものとして断定、掃討を行っている。
しかしながら人権団体によると事件は軍、警察と組んだ地主側の私兵団が起こしたもので、矛先をかわすためにNPOの名前を利用していると指弾されている。
そういった指摘の中、12月27日に軍と警察は捜索の名を借りて東ネグロス州で農民運動家6人を殺害、農民50人以上を逮捕。
そして、3月30日の事件となったが、軍、警察はいずれの事件の殺害に関しての弁明は捜索時に『相手が銃を撃ってきたため』と発表し正当化をしているが、現場での目撃証言からは軍、警察の捏造説が色濃く浮かび上がっている。
また、捜索側は捜査令状を提示し行動していると発表しているが、実際は提示せず問答無用に撃ち殺したと殺害された遺族の証言も多く出ている。
フィリピンの軍や警察が自己に都合の良いように証拠を捏造するのは有名な話で、1万数千人が殺害されているドゥテルテ政権の『違法薬物関与容疑者抹殺計画』は証拠の捏造による捜索側の殺害が少なくない。
このように相次ぐ『農民虐殺』に対して世論の批判が高まるに連れて政府も看過できず、政府機関である『人権委員会』が事実調査をすると声明を出したが、人権に対して弾圧を深めるドゥテルテ大統領の基では政府機関が真相を解明するのは無理との話が早くも出ている。
今回、14人が殺害された東ネグロス州はセブ島と狭い海峡を挟んで向かい合う位置にあり、州都は外国人の永住地として人気の高いドマゲティ市(人口14万人以上)。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&config=&command=body&no=479
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