アリババ子会社が東京にデータセンターを新設 日本企業のクラウド化を支援
アリババグループのクラウドコンピューティング部門のアリババクラウドは1月29日、日本で二つめのデータセンターを東京に開設したと発表した。これに伴い、アリババクラウドジャパンのユニーク・ソング・カントリーマネージャーが、今後の日本市場での方針について説明した。
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今回新たにデータセンターを追加したことで、日本で提供するサービス・プロダクト数は50以上に達し、キャパシティーは従来の2倍以上に達した。
同社は2016年、最初のデータセンターを東京で開設しており、日本市場に向けた投資を継続してきた。ソング・カントリーマネージャーは「グローバルでサービスを展開する企業にとって、日本市場が難しいというのは常識になっている」とした上で、「日本のクライアントは要求のハードルが非常に高い。完璧なものを提供できないとなかなか受け入れられない。ただ、クオリティーが求められる分、クライアントのニーズをしっかりと満たすことができれば、それに見合った利益を上げられる。その意味で日本は非常にフェアな市場だ」と分析する。
また、日本におけるクラウド市場に関しては「クラウド化はまだ20%程度にとどまっているので、非常にボリュームがある。今のところ他社と競合する状態ではなく、優秀なクラウドベンダーであれば誰にでもチャンスがある」と、その可能性を強調した。
今後の具体的な方針としてソング・カントリーマネージャーは、3方向からのアプローチを挙げた。一つめはコストパフォーマンス。18年11月11日に開催された「独身の日」のショッピングイベントで、ピーク時の決済処理数は毎秒25.6万件に達していた。これを問題なく乗り切った実績を持つインフラを比較的価格を抑えて提供することで、中小企業から大企業まで幅広いターゲットを取り込んでいくという。
二つめが海外進出支援。ソング・カントリーマネージャーは「現在の日本経済は良好に推移しており、今でも海外進出を狙っている企業は少なくない」との見方を示している。同社はグローバルクラウドプロバイダーとして、これをサポートすることにより、互いに成長できる関係を構築したい考えだ。
そして三つめが、日本企業との協業による新たなソリューションの創出だ。ソング・カントリーマネージャーは「製造業などを代表する日本の各業界には多くのノウハウが蓄積されており、これを当社のクラウドサービスと組み合わせることで、より多様なニーズの需要を捉えていく」と語る。成熟した日本企業の知見を土台にサービスポートフォリオの拡大を狙う。
同社は、グローバルのIaaS型クラウドサービスにおいて、AWS(Amazon Web Services)、Microsoft Azureに続く第3位のシェアを獲得しており、メガクラウド2社を追いかけている状態だ。ソング・カントリーマネージャーは「大容量データの分析や、リアルタイムのフィードバックなど、これまでできなかったことが容易に実現できるようになった。パブリッククラウドやハイブリットクラウドにかかわらず、ケースバイケースに対応し、日本市場全体の最適化を支援したい」と意気込みを語った。
(週刊BCN+ 銭 君毅)
ソース:https://www.weeklybcn.com/journal/explanation/detail/20190209_166233.html
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