フィリピンに進出の韓国の韓進重工業が破綻 政府は中国企業による買収を懸念
元アメリカ海軍基地跡に生まれた『スービック湾経済特区』に2006年に進出し、操業していた韓国の『韓進重工業フィリピンズ=HHIC』が、1月8日地元オロンガポ地裁に会社更生法を申請した。
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債務総額はフィリピンの同法適用を申請した企業の中では過去最高規模になる4億1,200万ドル(約445億円)に達する見込み。
また、同社の倒産によって直接の従業員2万人以上、この他同社の関連会社などに働く従業員多数にも影響が出て、深刻な社会問題となっている。
これに対して同社の労働組合は『一ヶ月分の給与と同額の退職金』をHHICは支払う義務があると要求しているが先行きは不透明となっている。
これはHHIC融資を行っていたフィリピンの銀行が債権確保に動いているためで、放り出された従業員を擁護せずに自行の利益確保に走り、しかも危ない会社に放漫な融資を続けていたことに批判が高まっている。
HHICに融資をしていた銀行は5行あり、焦げ付き額筆頭はリサール商業銀行(RCBC)の1億4,000万ドルと3分の1を占めた。
これは同行にとって不良債権化した場合、不良債権比率が現在の2.2%から倍増近い4.3%に達すると見られ、同行経営陣の責任追及は必至の様相。
他4行は国内最大商業銀行のBDO、ランドバンク、メトロバンク、BPIだが、いずれの銀行も担保を取っていなかったことが判明し、HHICと融資銀行団との不適切な癒着があったと指摘されている。
こういった批判に対して銀行団は『抜け駆けをせずに団結して再建に取り組む』と述べているが、これは逆に抜け駆けで自行の債権を確保する銀行の体質を暴露した格好となった。
HHICの倒産に関しては中国の造船会社2社が買収するような興味を示しているが、これに対して『国防上の問題』から中国企業には渡すべきではないと、フィリピンの国防関係者から反対が強い。
これは仮に中国企業が買収した場合、広大な敷地と港湾設備を利用して『中国の軍港』化する恐れがあるとの指摘で、南シナ海の岩礁を埋め立てて次々と軍事基地を建設している中国の手口を警戒しての危機感から来ている。
こういった指摘に対して政府はそういった懸念はないとしながら、『国有化』にも興味を示し、議会からは無益な予算執行をする省庁から予算を流用し、それを充てるべきとの意見も出ている。
一方、こういった発言は思い付きに過ぎず、失職する従業員とその家族、影響が甚だしい地域経済の冷え込みなど、民生重視で対策を早急に講じべきとの意見も強い。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=372
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