中国の翻訳会社「GTCOM」 日本進出を視野に製品開発へ
翻訳サービスを手掛ける中国のGTCOM(北京市)が、今年で設立5周年を迎えた。
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7月31日に北京市で開催した記念イベントで、同社の幹部は「技術革新を進め、人類の進歩に貢献したい」と呼びかけた。アジアのなかで、日本の市場をとくに重要視しているとの考えも示し、日本向けの製品開発にも注力する方針を強調した。
GTCOMによると、同社は1970年代に設立された中国国営の翻訳専門会社・対外翻訳出版の子会社。人工知能(AI)などの技術を活用し、新しい翻訳サービスや製品を開発することを目的に設立された。長年にわたって培ってきたデータを生かした翻訳の精度では中国トップレベルという。
イベントの冒頭であいさつしたGTCOMの黄松董事長は「これまでに蓄積してきたノウハウをもとに、機械翻訳や音声認識などの先進技術を自社で開発し、翻訳業界をリードしている」と自社の特徴をアピール。最近の取り組みとしては「ビッグデータの収集や分析を積極的に進め、データの未来を変えようとしている」と紹介した。
続いて登壇した于洋CEOは「この5年間を振り返ってみると、いろいろな困難や苦労があったが、そういうことがあったからこそ、われわれは成長できた」とし、2014年にマルチ言語機械翻訳プラットフォームを公開したり、18年7月に米国市場に参入したりしたことを説明した。
そのうえで、専門的な用語や技術の検索に特化した分析プラットフォーム「JoveEye」などを示し、「われわれは、ほかの会社と比べても圧倒的に多い科学のデータをもっている。JoveEyeを活用することで、全世界の科学の発展を簡単に把握することができる」と紹介した。
于CEOはイベント後、BCNの取材に対し「日本は中国人から最も人気のある旅行先の一つ。距離的にも文化的にも近いため、翻訳サービスの市場のなかでは、米国と並んで最も重要だ」とし、「今後、日本の翻訳市場はどんどん大きくなっていくと予想している。パートナーシップを結ぶ高電社(大阪市)とともに日本向けの製品やサービスの開発に力を入れ、日本の市場にしっかりと入り込むことを目指したい」と述べた。
(週刊BCN+ 齋藤秀平)
ソース:https://www.weeklybcn.com/journal/news/detail/20180807_163609.html
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