中国の日本への歩み寄り 日中間の関係改善で米に対抗?
第4回日中ハイレベル経済対話は16日午前から開催された。外務省の発表によると、日中双方は互いに取って重要な経済分野での協力パートナーであることを確認したほか、国際経済の発展やグローバルな課題で責任ある役割を果たすことで意見が一致した。
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訪日中の中国の王毅外相と河野太郎外相が議長を務めた。中国側から劉昆・財政部長と鍾山・商務部長も出席した。
米メディア・ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は、日本専門家の話として、王外相の訪日目的は、表では5月李克強首相の訪日の日程調整のためだとされるが、実質的には日米関係の仲を引き裂くことだと指摘した。
VOAによると、共同通信社論説委員を務めた坂井臣之助氏は「中国側は、最近通商問題をめぐる日米間の亀裂を狙い、安倍首相が17日訪米の前に、日本を丸め込もうとしている」と述べた。
米政府が3月、鉄鋼・アルミニウムの輸入制限を発動した。トランプ大統領は鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の追加関税を課す大統領令に署名した。EU、オーストラリア、韓国などは適用除外となったたが、日本は適用対象となっている。河野外相と世耕弘成・経済産業相が相次いで訪米し、適用除外を求めたが、米側は認めなかった。
VOAの報道は、中国の鍾山商務部長が15日世耕経済産業相との会談では、米国の貿易保護主義を非難し、通商問題で日本側が中国の味方になるよう働きかけたとした。しかし、世耕氏は、報復措置の実施で世界経済がさらなる打撃を受ける可能性が高いと答え、中国側の期待に応じなかったという。
・中国側、日中首脳相互訪問に言及せず
日本メディアが、王毅外相と河野外相が、今後双方の関係改善を促進するため安倍首相と習近平国家主席の相互訪問について意見が一致したと報道した。しかし、中国外交部の発表では、日本側が李克強首相の訪日に期待していると強調し、両首脳の相互訪問に言及しなかった。
中国外交部公式サイトのニュースリリースで、王外相は安倍首相がこれまで両国関係の改善を提案してきたのを重視していると日本側に伝えた、という記述があった。同時に、「日本は現在の『この機会』をしっかり掴み、両国の関係を改善していきたいと示した」と報じ、日本側からの要請を受けて王外相が訪日したと示唆した。
大紀元時事評論員の李沐陽氏は、中国当局が国内に向けて、日本側が中国と関係改善を急いでいるのを印象付けようとした、と指摘。
また、李氏は実際に、中国当局が自ら日本に対して王外相の訪問を提案した可能性が高いと指摘した。
「朝鮮半島問題や国際貿易問題など、現在の国際情勢の下で、中国当局は、日本が中国の味方になるのを望んでいる。米中通商問題で、強硬姿勢を示すトランプ政権に中国側が受け身になっている。今まで横暴な態度をとってきた中国当局には友好国が少ないのも事実だ。国際的に孤立した中国当局にとって、アジア各国、特に近隣国との関係改善を急ぐ必要がある」
「先月、日本に好感を持つ中国人市民、いわゆる精神日本人のことを『中国人のクズ』だと罵倒した王毅外相に対して、日本側が招くはずがないだろう」
しかし、国民に対して尖閣諸島問題を利用して何度も「反日運動」を煽動してきた中国当局は、「自ら日本に接近していることを国内に公にできない。そうすれば面目丸つぶれになる。プロパガンダ宣伝では、日本のほうが中国と関係改善を求めていると強調するのだ」と李氏が批判した。
(翻訳編集・張哲)
ソース:http://www.epochtimes.jp/2018/04/32615.html
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