タイ、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加の機運が盛り上がる
商務省によれば民間団体や学者ら、経済界は概してタイに昨年10月に環太平洋の12ヵ国が署名した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参加してほしいと願っているという。しかし一方では最終的な決定を行うまで、政治家にはTPPがもたらす影響の慎重な検討を要請している。
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「商務省は過去数ヵ月にわたり経済界、非営利組織や団体、学者、農業や畜産業界と会合を重ねてきました。ほとんどの人がタイにこの新しい貿易圏に参加してほしいと述べています」と商務省副大臣Winichai Chaemchaeng氏が述べたとBangkok Postは報じた。「しかし特に2月以降会合を行う予定の地方関係者など、他の関係者の意見も聞く必要があると考えています」
Winchai氏は経済界が特にタイがTPPに参加することを積極的に支持していると述べた。経済界によればタイはTPPに参加すると特に米、砂糖、冷凍・加工エビ、マグロの缶詰、タピオカやデンプン、衣料品、宝石や宝飾品類、医薬品、航空輸送、メディカルツーリズム、直販の分野で競争力が高まるだろうと述べる。
一方農場経営者らはタイがまだ動物飼料の生産コストの面でTPP加盟国と競争するには時期尚早で、当局に良い点と悪い点の両方を検討するよう促した。
また協定に参加すると影響を受ける分野に対しての救済策を打ち出してほしいと要請した。
TPPは米国が主導し、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、日本、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイの12ヶ国で締結された貿易協定。タイの貿易高に対する加盟12ヶ国はあわせて40%、外国直接投資(FDI)は年間45%を占める。タイは米国、カナダ、メキシコを除くほとんどのTPP加盟12ヶ国と自由貿易協定を締結している。
カナダとメキシコが占める輸出全体の割合は1%未満、また両国からの外国直接投資はタイに年間通してもたらされる外国投資全体の2%未満だ。他方タイに対する米国の外国直接投資は毎年8%を占める。
タイが協定に参加すれば米国市場におけるTPP加盟国との競争の激化することが最大の影響となるとみられている。輸出業者らはTPP加盟国の製品と比較した場合、タイ製品に課せられる関税が高くなり、米国に対するタイの輸出が他のTPP加盟国の同様の製品と比較して競争力が弱くなることに対して懸念を表明している。
タイのSomkid Jatusripitak副首相は先月、同国が協定に参加する可能性が高いと述べている。
photo by Julianita Qué Tal on flickr
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