フィリピン・台風「ウルドゥハ」が横断、レイテ島西北端のビリラン州知事は『被災地宣言』を発令する見込み
フィリピにおける2017年最後の台風となりそうな『ウルドゥハ』(台風26号)は、12月16日から17日にかけてヴィサヤ地方のサマール島、レイテ島に上陸しそのまま横断。
【図は今台風ウルドゥハの進路(PAGASA=フィリピン気象庁より)】
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この襲来によってレイテ島西北端にあるビリラン州(人口17万人余)では大規模な土砂崩れが発生し、州当局によると26人が死亡、23人が行方不明になっていると発表。
同州はレイテ島と橋で繋がる島で、州内の主要な橋5本が損壊し、救助活動にも支障をきたし州知事は『被災地宣言』を発令する見込み。この事態で同州の台風避難者は6000人以上に上がっている。
同台風はヴィサヤ地域に多大な被害をもたらし、国家災害対策本部(NDRRMC)は同地域のロンブロン島で2人、レイテ州で2人が死亡。東サマール州で3人が行方不明になっていて同台風での犠牲者は50人をはるかに超えるのではないか確認を急いでいる。
同台風ではルソン島南端域やヴィサヤ地域で土砂崩れが15件発生し、洪水は261ヶ所、39の市町村で電柱が倒されるなどして停電が発生した。
NDRRMCが掴んでいる同台風で避難した住民は2万家族以上で、9万人近くに達し、政府は37万世帯分の食糧と4億ペソ(約8億5千万円)相当の物資があり、救援対策を急ぐとしているが、指揮系統と輸送の問題もあり立ち上がりはかなり遅れる模様。
一方、観光地で知られるセブ島であるが、北部を中心に住民の台風避難が続き、最北端の町ダアンバンタヤンでは4000近くの家族が避難している。
これは2013年にあった超大型台風『ヨランダ』被害の教訓を生かしたものだが、避難者を受け入れる体制が整っていなくて、この4年間、当局は台風被害から学ばず進歩していないのが明らかになった。
また、セブ島北端に浮かぶマラクワスパ島などでは観光客が閉じ込められる騒ぎになっていて、台風襲来の予測が出ているにもかかわらず安易に島へ渡る観光客と、意識の低い地元業者の問題が出ている。
この台風によってセブ港出発の定期航路は足止めされ、マクタン・セブ国際空港を発着する国内便は欠航が相次いだ。
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