EUと英が「清算金」問題で合意か、英が約500億ユーロ支払いへ
EUと英国の離脱交渉で最大の懸案となっている「清算金」問題について、英国が約500億ユーロを支払うことで双方が基本合意したもようだ。デーリー・テレグラフなど英国の複数のメディアが11月28日に報じた。
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英国が拠出を約束したEU予算の分担金など「清算金」の支払いをめぐっては、英国のメイ首相が9月下旬にイタリアで行った演説で、EUの現行中期予算の最終年である2020年まで約束した拠出金を支払うことを言明。2年で計200億ユーロを支払うことを示唆した。しかし、EU側が求める600億ユーロと大きな開きがあり、離脱交渉が進まない最大の要因となっていた。
デーリー・テレグラフによると、合意した支払額は450~550億ユーロ。英国が歩み寄った格好となる。一方、フィナンシャル・タイムズは、英国側が最大1,000億ユーロを払うことに同意したと報じたが、英国がEUから農業補助金などを受け取ることや、英国が負担するEU機関職員の年金が高めに見積もられていることなどを考慮すると、実質的な支払額は半分を下回るという。
EUと英国の離脱交渉は、清算金のほか、英国に居住するEU市民の権利保護、英国の北アイルランドと国境を接する加盟国アイルランドとの国境管理問題など離脱条件に関する交渉に「十分な進展」があったとEU側が判断すれば、第2段階となる自由貿易協定(FTA)締結など将来の関係をめぐる協議に進むことになっている。英国は12月14~15日に開かれるEU首脳会議で、第2段階の交渉入りを取り付けたい考えだ。
清算金をめぐる問題が合意にこぎ着けたことで、第1段階の交渉は大きなヤマを越えたが、なお市民の権利、国境管理問題で調整が必要となっている。メイ首相は12月4日に欧州委員会のユンケル委員長、EUのバルニエ首席交渉官と会談し、詰めの協議を行う予定だ。
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