ドイツ・超急速充電ネットワーク構築へ、EV普及に向け自動車業界が合弁設立
ドイツの自動車業界が電気自動車(EV)などの普及に向けたインフレ整備に乗り出した。メーカー各社はエンジン車から電気駆動車へと開発の軸足を移し、中長期的にEVとプラグインハイブリッド車(PHV)のモデル数を大幅に増やしていく計画だが、EVを大量に生産しても電池が切れる前に確実に充電できる環境が整わないと需要に火がつかないことから、自ら動き出した。順調に進めば、エンジン車に比べて“割高な車両価格”、“短い航続距離”とともにEV普及のネックとなってきた“充電インフラ不足”問題は解決することになる。
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自動車大手のBMW、ダイムラー、フォード、フォルクスワーゲン(VW)グループは3日、電気駆動車向け超急速充電ステーションの運営会社を共同で設立したと発表した。電力を動力源とするEVとPHVを普及させるためには充電網の拡充が必要不可欠であることから、手を組んだ。
均等出資の合弁会社イオニティ(Ionity)をミュンヘンに設立した。2020年までに欧州の高速道路と幹線道路沿いに最大出力350キロワット(kW)の高出力充電(HPC)ステーションをドイツ、ノルウェー、オーストリアを中心に約400カ所、設置する計画で、まずは年内に20カ所を開設。来年中には100カ所以上へと拡大する。
充電規格には欧米メーカーが推進する「コンバインドチャージングシステム(CCS、コンボ)」を採用する。メディア報道によると、専門家はフル充電に要する時間が10分未満となり、給油との差が大幅に縮まるとみている。
ドイツの充電機(チャージステーション)数は6月末時点で4,730台で、急速充電機(出力22kW超)はそのうち530台にとどまった。長距離移動にEVを利用することは極めて難しい状況だ。イオニティではこうした問題を解決するために、充電ステーションを120キロメートル間隔で設置する。同社の従業員数は来年初頭時点で50人。その後は漸次、拡大していく。
助成金申請が初めて4千件突破
一方、独連邦経済輸出監督庁(BAFA)は1日、EVなどの環境対応車を対象とする購入助成金の10月の申請件数が4,037件に上ったことを明らかにした。4,000件を超えるのは同助成金の受付が始まった昨年7月以降で初めて。助成対象となるEV、PHV、燃料電池車(FCV)がドイツの新車市場に占める割合は1.4%にとどまるものの、需要は着実に拡大している。
政府・与党は昨年、環境対応車の普及が低調なことを受けて、購入補助金制度を議会で可決。BAFAは7月2日から受付を開始した。助成総額は最大12億ユーロで、国(連邦)と自動車メーカーが折半する。2019年末まで申請できるものの、同期限以前に12億ユーロ枠に達した場合はその時点で打ち切りとなる。1台当たりの助成額はEVとFCVで4,000ユーロ、PHVで3,000ユーロ。
今年1~10月の申請件数は3万7,697件だった。最も多かったのはEVで、2万1,963件に上った。これにPHVが1万5,730件で続く。FCVは4件で、すべて現代自動車の「ix35 Fuel Cell」だった。
申請件数をメーカー別でみると、最も多いのはBMWで8,195件に達した。これにルノー(5,246件)、VW(5,012件)が続いた。日本車では三菱が2,093件で6位、日産が1,180件で8位につけた。
モデル別ではアウディのPHV「A3」が最も多く、4,236台に上った。2位はBMWのEV「i3」(3,965台)、3位はBMWのPHV「225xe」(3,319台)。日本車では三菱の「アウトランダー・プラグインハイブリッド」が1,342台で7位につけている。
申請件数3万7,697件のうち2万85件は企業によるもので、個人は1万6,988件だった。
州別でみると、バイエルンが8,133件で最も多かった。2位は人口が最も多いノルトライン・ヴェストファーレン(7,911件)、3位はバーデン・ヴュルテンベルク(7,159件)。4位のニーダーザクセンは3,331台で、3位の半分以下にとどまった。
ソース:http://fbc.de/sc/sc40543/
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FBC Business Consulting GmbH
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