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フィリピン・マルコス一家 不正隠匿財産を一部返還表明

フィリピン・マルコス一家 不正隠匿財産を一部返還表明

1965年から1986年までフィリピン第10代大統領であった『マルコス』は1972年に戒厳令布告し、弾圧の限りをつくす独裁政治家として歴史に名を残すが、一方で『汚職』の帝王として君臨した過去を持つ。

【写真はイメルダ・マルコス77歳の時】

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同人は1986年2月に行われた大統領選の開票操作不正から、故コラソン・アキノを同大統領選に擁立した反マルコス陣営が決起し、マルコス一家とマルコスに寄生した政商がハワイに追われる羽目になった。
  
3年後にマルコスはハワイで死亡したが、遺体は地元ルソン島北イロコス州に冷凍保存され、妻であるイメルダ以下はフィリピンに帰国し、イメルダは北イロコス州選出下院議員、長女は同州知事、長男は上院議員を経て2016年副大統領選に出て小差で落選。
  
マルコス独裁時代に検事に任官した過去を持つドゥテルテ大統領が就任してから、マルコスの遺体は国立の英雄墓地に埋葬された。
  
ドゥテルテは副大統領は落選したマルコスの長男が良かったと公言するくらいマルコスびいきで、その力が働いてマルコス家は不正隠匿した財産を政府に返還すると申し出た。
  
マルコスの不正で得た額は天文学的な数字で、現在でもスイスの銀行口座に100億ドル(約1兆1千億円)を隠し持っているとされる。
  
この口座から生じる利子6千万ドルはスイス当局に差し押さえられ、フィリピンに返還されたが、秘密口座そのものには手が付けられない状態である。
   
マルコスが不正に蓄財した手口は簡単で、あらゆるプロジェクトの予算に対してリベートを要求し、それも5%から20%を要求していたとみられる。
  
このため、プロジェクトを進める側は話が早いとしてせっせとマルコスにリベートを払ったが、マルコス在中に日本政府の援助は増大し、一方でこの日本の税金がマルコスに流れ、日本の大小の商社が暗躍、甘い汁を吸ったのも事実である。
  
マルコスの弾圧によって今の共産勢力の軍事組織、イスラム系軍事組織の活動が始まり、不正によって経済の後退、貧困を増大させたと評価されるマルコスだが、激することも早いが忘れることも早いフィリピンでは既にマルコスは完全に復権した。
  
この時期にマルコス家が不正隠匿財産を政府に返還する意図は明らかでなく、数々の憶測を呼んでいるが、88歳になり、健康不安説が流れるイメルダが懺悔のために考えたのではという説が有力である。
  
しかし、返還するといってもごく一部で、その中にはミケランジェロ、ゴッホ、モネ、ゴーギャン、ピカソなど名だたる絵も含まれている。
  
返還が実現したらこれらは国立の美術館に収められるであろうが、マルコスの家の壁を飾っていた絵が管理の良い美術館に移るだけで、どうやって取得したか解明する方が先との批判も強い。
   
また、マルコスの不正蓄財で主とされるのは金塊で、いくらかの金塊は返還されるらしいが、一説にはマルコスが隠匿する金塊は『7000トン』と証言する下院議員もあって真相は不明である。
  
仮に7000トンが本当とすると現在の金価格からトン50億円、7000トンで35兆円にも達し、この途方もない数字が嘘にしてもマルコス一家の犯罪を証明しているのは確かである。
  
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&config=&command=body&no=422

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