止まらぬ中国の資金流出 昨年までの5年間68兆円海外へ
中国人民銀行(中央銀行)元金融政策委員会委員の余永定氏はこのほど、2011年1~3月期から16年7~9月期まで約6200億ドル(約68兆2000億円)の資金が海外に流出したとの見方を示した。
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余氏は今月12日、中国当局が提唱する「一帯一路」経済圏をテーマにした「中国金融40人フォーラム」に出席した際、現在一部の企業が「一帯一路」政策を利用する資金を海外に移転させていると指摘した。
余氏によると、世界各国の経済学者は70年代から、国際収支統計の誤差脱漏を、一つの国の資本逃避を測る指標として使ってきた。11年第1四半期から16年第3四半期まで、中国の国際収支統計における誤差脱漏は累計6200億ドルに達した。「資本逃避が比較的に深刻であることを反映した」と余氏が述べた。
過去の7年間で、中国企業が海外投資を加速し莫大な資本を輸出した。しかし、近年中国の経常収支黒字が拡大しているにもかかわらず、対外純資産規模が逆に縮小している。
「中国の経常収支黒字と対外純資産との差額は約1兆3000億ドル(約143兆円)だ。統計の方法に問題があるが、資本逃避の要因も否めない」と余氏が指摘した。
また余氏は、現在中国当局が保有する対外資産が約5兆ドル(約550兆円)で、対外負債が約1兆7000億ドル(約187兆円)だが、対外負債のコスト(金利や為替損益など)は非常に高いため、純債権国である中国の海外投資収益は過去10数年来、マイナス水準のままだと述べた。
原因の一つは、ほとんどの海外資産が収益率の低い外貨準備であることにあるという。中国の外貨準備のうちの約7割は米国債で、年間平均利回り率は2~3%だ。
余氏によると、世界銀行の統計では、中国に直接投資(FDI)を行っている外国企業の年間平均収益率は22%だ。
中国在住のジャーナリスト・黄金秋氏は大紀元に対して、企業のほかに汚職幹部も一帯一路政策を利用しているとの見解を示した。
「中国の汚職幹部は地下銀行、国有銀行の海外支店など様々なルートで資金を海外に移している。中には、「一帯一路」政策の下で投資名目として、国有資産を外国に移動した後に自らの懐に収める高官もいる」と述べた。
(記者・高亦清、翻訳編集・張哲)
ソース:http://www.epochtimes.jp/2017/08/28230.html
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