金ちゃんラーメン、「味の現地化なし」で台湾開拓を狙う
西日本を中心に即席麺「金ちゃんラーメン」を販売する徳島製粉が今秋、海外への輸出を始めたと11月30日付の日本経済新聞が報じた。
西日本では一定のブランド力があるものの国内は少子高齢化で売上高は頭打ち傾向、アジアなどの成長市場は魅力的で、こうした危機感が進出の背景にはある。「これから国内で(売上高を)伸ばすのは難しい。国外にも関心を向けるときが来た」と、田中信義社長はいう。
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最初に狙ったのは台湾。7月にバイヤーを招き試食会を開いたところ好評で、袋麺4万5000食を10月に輸出したという。現地の食品スーパーやコンビニエンスストアなどで販売。近く第二弾の出荷も決まるという。
ライバルである現地製品との価格競争を避けるため、「日本製」を全面に押し出す販売戦略を取る。販売価格は日本円で1袋約200円。現地の物価も考慮すると高級品だ。日本製を強調するための工夫として、原材料のパッケージにもこだわる。原材料の現地語表示もパッケージには直接印刷せず、わざわざシールに印刷して一枚ずつ人の手で貼っていく。手間はかかるが現地で製造していると勘違いされないための工夫だという。
また、海外進出で先行す大手メーカーは味を現地好みに変えることも多いが、徳島製粉は「味の現地化はしない」という。そのままの味でも受け入れられるとの自身があるためだ。「金ちゃんラーメン」に代表される同社の製品は国内の強豪に比べて、やや甘めであっさりした味が特徴にある。これが「台湾人の好みにピッタリ合う」と田中社長はみている。
こうした戦略で台湾での収益を伸ばし、長期に渡る収入源に育てる考えだ。
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