中国卓球、ボイコットの裏事情 派閥争いか=香港紙など
6月25日まで中国・成都で行われた卓球国際大会「中国オープン」で、中国卓球代表の劉国梁・総監督の解任への抗議とみられる理由で、中国選手が大会をボイコットした。香港メディア・東網は28日、情報筋の話として、劉氏は恩師・蔡振華氏から中国卓球協会会長を引き継ぐのを断ったため、左遷されたと報じた。
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中国卓球協会は20日、組織改革のため「総監督」職を廃止し、劉氏を19人目の協会副主席(副会長)に異動すると発表した。実権の伴わない職位であるため、事実上の左遷とみなされている。
仏国際放送局ラジオ・フランス・インターナショナル(RFI)中国語版サイトは25日、今回の騒動は、国の最高指導機関である中国共産党中央委員会(以下、党中央)の人事が決まる、今秋開催予定の第19回党大会(19大)に関係した、権力闘争による可能性があるとの見方を報じた。
このたび、劉氏が中国卓球協会会長を断ったのは、現役時代の恩師で現卓球協会トップ・蔡氏と敵対する人物の19大の重要人事入りに加担することになり、蔡氏を裏切ることになりかねないと懸念したためとみられている。
19大では、最高指導部の大幅な人事刷新が行われると予想されている。国家体育総局から党中央に入るのは1人だけで、監督解任の背景には、一席を争う内部の派閥や権力闘争があるという。
RFIによると、国家体育総局で唯一の党中央候補委員(中央委員会入りする可能性のある有力候補)で、中国卓球協会会長・国家体育総局の副局長を務める蔡振華氏と、国家体育総局トップ・苟仲文局長の対立が考えられている。
劉氏と、中国卓球女子代表の孔令輝前監督は、ともに蔡氏が総監督を務めていた時代に大活躍したスター選手だった。両氏は蔡氏と深い絆で結ばれていると伝えられている。今は両氏はともに深刻な危機を迎えており、うち一人は総監督職を退任し、もう一人は賭博関与疑惑で職務停止処分を受けた。
苟仲文氏は理科系(工学系)の出身で、エレクトロニクス業界やソフトウェア業界で長年働いていた。2016年10月に国家体育総局の局長に就任した。その後、組織改革を力強く推進し、指導陣の人事異動を頻繁に行っている。今回は劉氏の総監督職を解任したことで、苟氏は中国卓球界に大混乱をもたらした張本人として、世間の批判の的となっている。
騒動の後も、波紋が広がっている。国家体育総局は、卓球男子代表のコーチ2人と選手3人が勝手に試合を棄権したとして、厳しく非難する声明を発表した。棄権した選手らは相次いで謝罪文を掲載した。
ネットユーザらは、大会をボイコットした選手を支持する声が圧倒的に多く、当局の官僚組織の腐敗を批判している。こうした大量の書き込みは相次いで削除されている。
(翻訳編集・王君宜)
ソース:http://www.epochtimes.jp/2017/06/27841-2.html
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