ブラジルでウーバー(UBER)規制に関する法案が可決
世界中で起こっているタクシー運転手とウーバーなど個人送迎サービス運転手の対立は、ブラジルでも先鋭化している。グローボ系ニュースサイト「G1」が4月4日に伝えたところによると、同日、ブラジル議会の下院でウーバーのようなインターネットアプリを通じて手配する送迎サービスを規制する法案が可決されたという。
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法案の可決により、ウーバーなどの個人運転手による送迎もタクシー運転手の個人営業のカテゴリーに入り、タクシーと同等の義務と責任が課せられることになる。
下院議長の民主党ホドリゴ・マイア議員によると、連邦議会ではウーバーのサービスをタクシー業規制の範囲に含めることになるものの、アプリを使った営業を禁じるか否かは自治体に任せることになると見られている。下院で論議の的になったポイントは、連邦レベルでウーバーを禁じるかどうか、という点だった。
法案の具体的な文言は下記の通り。
「不特定多数の人を対象に報酬を受け取って輸送手段を提供する個人はプロの個人営業タクシー運転手である。運転手と乗客双方の受託・委託の意思確認が電子的なプラットフォームを介して行われるものも含む」
元の法案の文言はインターネットアプリなどの電子的プラットフォームを介しての受託を禁じる内容となっていたが、最終的には上記の文言で落ち着いた。マイア議長によると、たとえ文言が入れ替わったとしても、ウーバーを法規制の対象とする点には変わりはないという。議会は現段階で連邦政府が電子的媒体の扱いについて踏み込む意図はなく、そこは自治体に任せられることになるという。
昨年(2016年)末、マイア議長はウーバーに関する一連のテーマを議論する委員会の設置を告知した。しかしながら現段階では設置された様子は見られない。
下院で審議された法案では、ウーバー等アプリを通じて送迎サービスを行う運転手はタクシー運転手と同等の義務と責任を負うとされ、顧客輸送サービスを提供する際には下記の要件を満たす必要があるとしている。
・営業範囲に関する情報が記入されたB級以上の運転免許証を保持していること
・公共交通輸送に関する当局が定める規制を満たした車両で営業を行うこと
・運転手の情報がアプリ運営会社に登録されており、そのデータが自治体に共有されていること
・営業を開始するにあたっては営業車両登録証を取得すること
連邦区を含む自治体では下記のガイドラインの遵守を求められることになる。
・各自治体にて課税を行うこと
・運転手には対人事故及び乗客用保険(APP)と強制加入保険(DPVAT)へ加入させること
・運転手個人を社会保険に加入させること
下院での審議中にタクシー運転手たちが国会議事堂前に集結し、ウーバー規制法案の成立を訴えた。
道路をはさんで向かい側ではウーバーの運転手たちが、ウーバーに登録している運転手たちの写真入り立て看板を広場に並べつくして法案に反対の意思表示を行った。
(文/原田 侑、写真上/Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil、写真下/Rovena Rosa/Agência Brasil)
写真上は4月4日、ブラジリア。国民議会場前で法案への抗議パフォーマンスを行ったウーバー運転手たち。写真下は3月27日、サンパウロ市で行われたタクシー運転手たちによるウーバーへの抗議集会
ソース:http://megabrasil.jp/20170423_35250/
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