ドゥテルテ大統領在任中の開発計画、フィリピン国家経済開発庁が承認
フィリピンの主要経済官庁の国家経済開発庁(National Economic and Development Authority=NEDA)は2月20日、NEDA閣僚級委員会が2017年から2022年までの社会経済政策を策定した『フィリピン開発計画=PDF』を承認した。
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これによると、国民総生産(GDP)成長率を7~8%の達成、現在の貧困率21.6%から14%まで引き下げるとしている。
PDFは歴代政権の発足後にまとめられて発表されて、その政権の政策基盤になるが、前アキノ政権では過大な目標が多く、任期途中で改訂された経緯があり、今回のドゥテルテ政権も過大な願望が強く、目標達成は疑問視する声は高い。
今回のPDFは主要目標として(1)社会保障、(2)改革、(3)持続的成長の3項目を柱とするもので、(1)の社会保障では①汚職対策。②公共セクターの生産性向上。③各種規制改革。④司法部門の改善、刑罰の見直し。⑤宗教・文化的配慮の改善などに力を入れるとしている。
(2)の改革では①生産性向上による収入増の実現。②農業分野の促進、国際市場での影響力強化。③ビジネス手続きの簡素化などに加えて④基礎教育の普及、⑤災害対策強化。⑥福祉の充実などを行い、将来の人材育成に努めるとしている。
(3)持続的成長では①フィリピンの爆発状態の人口増加を強味として経済成長の維持促進を図る。このため、②アキノ前政権の経済政策を継承しながら、簡素で公正な税制度改革を急ぐとしている。③貿易政策も戦略的に行い公平な競争を促進させるとしている。
これら3本柱を推進するために、人口、地勢、都市の要素が経済成長に重要な位置を占めるために、首都圏以下各地の都市部で問題となっている渋滞緩和、地方と都市部のアクセス改善、災害に強い自治体作りを重要課題とした。
また、国家予算に匹敵するといわれているフィリピン人海外就労者(OFW)からの送金に報いるためにもOFW自身とその家族の福祉政策の充実化を図ることも盛り込まれている。
NEDAは今回の政策は中期計画と位置付けていて、現在策定中の2040年までの長期開発計画の叩き台とし、NEDAは別名『優秀な作文官庁』といわれ、その名に恥じない立派な政策を策定したが、どこまでドゥテルテ在職中に各目標を達成できるかどうかは未定。
【写真はNEDAのマーク】
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