2016年12月28日

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フィリピン、経済成長率を10%に 大統領任期終了までに

フィリピン、経済成長率を10%に 大統領任期終了までに

好調な国内総生産(GDP)の伸びの続くフィリピンで、経済官庁の一つである予算管理庁長官が11月下旬に『大統領の任期の終わる2020年までに少なくても10%の経済成長率を実現したい』と展望を述べた。

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2016年第3四半期(7月~9月)のGDPの伸び率は前年同期比より7.1%増を記録し、これは前期の第2四半期(4月~6月)でも7%台を記録した事が強気の数値の背景となっている。
 
政府はドゥテルテの在任中に国内インフラ投資を重点的に行うために、6年間で約9兆ペソ(約20兆円)という巨額な資金を投じる計画を策定し、2017年度予算ではGDPの5.4%に相当する8607億ペソ(約1兆9100億円)を計上している。
 
このインフラ整備ではドゥテルテの支持基盤であるミンダナオ島内の2000キロに及ぶ鉄道敷設プロジェクトやダヴァオ空港整備や、ミンダナオ島からルソン島まで縦断する大型高速道路建設など検討中で、ミンダナオ島偏重が指摘されている。
 
また、こういった鉄道、道路といった大型プロジェクトは中国の援助を当てにしていて、中国企業を利するだけで、完成しても経済的効果と保守、維持は難しくお荷物になる可能性があり、ドゥテルテ在任中の実績を誇示するためのプロジェクトに過ぎないと酷評されている。
 
こういった強気の政府側の見通しに対して、フィリピン中央銀行は11月下旬、国内企業の景況感を示す『ビジネス信頼感指数=CI』を公表し、第3四半期の45.4%から第4四半期は39.8%に減少する結果となった。
 
この数字について大統領府は『アメリカの次期大統領の不透明さ、イギリスのEU離脱問題などが要因で現政権の進める経済政策の問題ではない』と弁明している。
 
しかしながら、市場経済を見るとペソの対ドルレートは2008年以来の最低値を記録し、フィリピンの上場企業の業績が良いのにも拘らず株式指数は下落を続けていて、国内の経済成長率の好調さと合致しない動きを見せている。
 
こういったことから、アメリカの格付け会社各社はアジアでも有数の経済成長率を記録するフィリピンに対して、長期国債の格付けを『据え置き』としている。
 
予算管理庁長官の成長率10%発言も、現在でもフィリピンの大きな問題である貧困層、最貧困層への恩恵は薄く社会の格差が増々開くため、無用のインフラ投資ではなく民生用に予算を配分するべきとの声も強い。
 
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&command=body&no=311&

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