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イタリアの改憲が国民投票で否決、首相が辞任へ、トランプ氏の影響も

イタリアの改憲が国民投票で否決、首相が辞任へ、トランプ氏の影響も

イタリアで4日に実施された憲法改正の是非を問う国民投票は、反対派が圧倒的多数を占めて改憲が否決された。同投票はレンツィ首相の事実上の信任投票となっていたため、同首相は5日に辞意を表明。改憲反対運動の中心となった新興政党「五つ星運動」の政権奪取が現実味を帯びてきた。同じく注目されたオーストリア大統領選の決選投票では、極右の候補が敗北したものの、イタリアの結果は英国のEU離脱、米国の「トランプ現象」に象徴されるポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭を示すもので、来年に選挙を控える独、仏などで反EU派が勢いづくとみられる。

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上院の権限縮小を柱とする伊の憲法改正をめぐっては、否決されれば辞任すると明言したレンツィ首相に対し、反EUなど既存政治の打破を掲げる五つ星運動など野党が結束して反対運動を展開。反対派が優勢とされていた。最終投票結果は改憲賛成が40.9%、反対派が59.1%と、予想を超える大差で反対派が勝利した。
 
レンツィ首相は敗北が確実となった5日未明、テレビの演説で「敗北の責任をとる」と述べ、辞任する意向を表明。一方、五つ星運動の指導者である元コメディアンのベッペ・グリッロ氏は、総選挙を早期に実施するよう呼びかけた。
 
同日に実施されたオーストリア大統領選では、移民排斥を唱える極右・自由党のノルベルト・ホーファー氏が優勢とされていたが、リベラル勢力が巻き返し、緑の党の前党首であるアレクサンダー・ファン・デア・ベレン氏の僅差での勝利が確実となった。これによってEU初の極右の国家元首誕生はならなかった。
 
イタリアとオーストリアの投票は、ポピュリズムが欧州でどれだけ勢力を拡大しているかを示す試金石と位置付けられ、その結果次第で来年の独総選挙、仏大統領選の行方も左右されるとして注目されていた。仏、オランダなどでEU離脱を唱える極右勢力が台頭する中、結束維持を図るEUにとって2連敗という最悪の事態は回避できたものの、主要国であるイタリアでの政局混迷は大きな痛手だ。英の離脱決定で広がった欧州統合の危機を乗り切ることができるかどうか、来年に大きな正念場を迎えることになる。
 
ソース:http://fbc.de/eur/eur3684/

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