中国不動産市場研究機関「上海易居房地産研究院」の最新分析によると、10月、13の主要都市の中古物件成約件数は約3万6000件で、前月比26.9%減となった。前年同月比は42.8%減少した。10月末までに、中古物件の成約総件数は7年前の水準に下がったという。
いっぽう、首都北京市の中古物件成約件数は初めて1万件を下回った。不動産情報企業、中原地産研究センターの統計では、北京市の10月の中古物件成約件数は9340件となった。前月比25.7%減で、前年同月比は53.4%減少した。7カ月連続の減少となった。
10月、広東省深セン市の中古住宅成約件数はわずか1605件で、2011年以来の最低水準となった。
また、広州市房地産仲介協会によると、10月の同市の中古住宅成約件数は5253件で、前年同月比51%減となった。前月比は15%減少。
上海市の10月のデータは現時点で発表されていない。9月、同市の中古住宅成約件数は1万2040件で、前月比33%減だった。
中国メディアは、中古住宅市場の冷え込みに関して、不動産向け融資の規制が一段と強化されたことや、地方政府が中古住宅市場の価格急騰を抑えるための「参考価格制度」を打ち出したこと、投機活動を抑止するための住宅購入制限の強化などが主因だと分析した。
在米中国問題専門家、謝田氏は、「中国の不動産市場において、供給が需要を上回っていることが根本的な原因である」と大紀元に語った。
中国当局が不動産の価格上昇抑制策を採りながら、湖南省岳陽市や株州市、広東省恵州市などの中小都市は8月以降、住宅価格の値下げを禁止する方針を相次いで公表した。
こうした矛盾する政策について、謝氏は「中国当局は不動産企業の過剰投資・過剰債務などを懸念し、不動産企業への資金調達条件を厳格化した。しかし、当局は価格の急落で不動産バブルが崩壊し、膨大な債務を抱える関連企業が倒産したことで、銀行までが破たんすることに非常に不安になっている」と指摘し、「不動産市場に関して、中国当局は今、袋小路に入った状況だ」とした。
謝氏は、中国共産党政権の高官やその親族が持つ資産の多くは不動産セクターにあるため、「当局上層部は、本当は不動産バブルの崩壊を望んでいない」と述べた。
(翻訳編集・張哲)
ソース:https://www.epochtimes.jp/p/2021/11/81670.html