フィリピン航空 ニューヨークの裁判所に破産申請
アメリカで破産申請をしたのは債権者がアメリカに多いことに寄るが、フィリピン国内でも国内法に則って再建への手続きを進める模様。
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PALはコロナ禍以前から赤字が続き財務内容が悪化し、倒産は時間の問題といわれ破産申請は6月にも行われると見られていたが9月にずれ込んだ。
PALは今年上半期(1月~6月)の損失は165億6千万ペソと前年同期よりは20%赤字幅は縮小したが、連結収入では51%減少の180億ペソとなり、好転する糸口は全く見えなかった。
このためPALの親会社であるPALホールディングスの負債総額は3009億3000万ペソに膨らんでいる。
PALは後続の低価格航空のセブパシフィック航空に利用客数で追い抜かれるなど、アジアで最古の航空会社とかフラッグ・キャリアという経営に繋がらないプライドばかりが高かった。
1999年にもPALは倒産騒動を起こしているが、この20年以上会社の経営体質はあまり変わらなかったことが今回の破産に繋がった。
PALホールディングスは世界長者番付にランクされる中国系経済人のルシオ・タンが持つ会社だが、今回の破産申請はPALのみでPALホールディングス自体は申請に含まれていない。
PALは再建に向けて20億ドルの債務放棄を債権者側と合意し、フィリピン国内金融機関から5億ドルの資本注入、海外からの投資家から1億5000万ドルを借り入れることを発表しているが、ルシオ・タンの持つ銀行など身内で資金を回しただけで体質改善には繋がらないと指摘されている。
こういった大手航空会社が危機に陥ると通常は政府が税金を投入して支えることが多く、今回のコロナ危機でもタイやマレイシアの航空会社には政府が金融支援をしている。
ところが、現在のドゥテルテ政権はPALを追い上げているセブパシフィック航空のオーナーがドゥテルテの後援者のために政府資金を注入することには消極的になっている。
また、全日空(ANA)もPALホールディングの株主で、PALとANAのコード・シェア便を飛ばすように関係も深いが、ANAは本体自体が苦境のためもあって、PALへの更なる出資などは考えていないという。
PALは人員整理、運航路線と運航便の削減などを行っているが、コロナ禍による旅客数の減少の回復は見通せず再建は茨の道が続きそうだ。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=422
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