セブンイレブンを運営するフィリピン・セブン社は国内に2978店を持つが、2020年の総売り上げは前年比18.4%減少し、4億1970万ペソの純損失となった。
2019年は14億4000万ペソの黒字であり、コロナ禍の直撃をモロに受けた決算となった。
大手低価格航空のセブパシフィック航空などを傘下にする中国系財閥のJGサミットは、セブパシフィックが222億ペソの巨額な赤字を計上するなど連結総収入は前年比27%減となる2216億ペソ、4億6800万ペソの赤字となった。
ただし、同社の食品部門会社は好調で、純益が10%近い107億ペソに拡大した。
一方、同じ中国系財閥のGTキャピタルは連結総収入は前年比40%減の1344億ペソと大幅な減収となったが、65億ペソの黒字を確保した。
これは傘下の商業銀行国内2位のメトロバンクが純益138億ペソ、自動車販売大手のトヨタ・モーター・フィリピンが前年比63%減ながら純益34億ペソの計上が貢献した。
こういった中、ライバル会社がドゥテルテ政権によって放送免許更新が認められない異常事態が続くフィリピンで、テレビ・ラジオ業界大手の全国ネットワーク会社GMA(チャンネル7)は純益60億ペソを計上し、これは前年比2.3倍の急拡大、一人勝ちとなった。
これはライバル会社から広告主がGMAに流れたことによるもので、同社の総収入は前年比17%増の193億3000万ペソとなり、広告収入は前年比17%増の177億3000万ペソとなった。
一部を除いた企業が軒並み業績不振となる中、首都圏と近隣州に対して2週間の強力な防疫体制に戻したために、国内総生産(GDP)の1%縮小、1800億ペソ程度の損失が発生との政府報告が成された。
また、150万人に上る労働者が職を失ったと見られ、政府は1日当たり1万人を超える感染者を生む現状と、経済の舵取りの難しさを改めて思い知らされている。
これは現在の日本とも共通しているが小出しの新型コロナ対策は結局、何の効果も生まず、さらに悪化させるだけとの指摘も強い。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=413