日産は2013年に台湾の自動車大手裕隆汽車の子会社のユニベーション・モーター・フィリピン(UPM)社と合弁を組み、工場を操業していたが、UPMとの契約終了と日産本体の世界的な再編から今回の決断に至った。
この工場閉鎖によって失業する従業員は133人と数えられていて、日産は定められた補償金を払うとするが正規でない従業員や近隣の関連業界にも影響が及ぶのは必至。
同社では販売価格66万ペソ(約135万円)というかなり安価なセダンのアルメーラなどを組み立てていた他、9種類の主にタイ工場からの輸入完成車を販売し、2020年の販売実績は前年比49%マイナスの21751台であった。
日産は販売実績ではトヨタ、三菱、ホンダに後れを取っていて、ホンダもフィリピンでの生産停止を発表したばかりであった。
この日産の閉鎖措置について政府筋は、日産本体は世界各地の工場を閉鎖、整理していて、世界全体で約45000人の労働者を解雇し、フィリピンもその一環であると理解を示している。
しかしながら、今後自動車輸入が増えることによって国内にある自動車関連メーカーが打撃を受けるのは確実と見て、政府は輸入自動車のセーフガード(緊急輸入制限)を暫定的に発動することを日産フィリピンが閉鎖を発表する前に決めている。
これは乗用車1台当たり7万ペソ(約15万円)、小型商用車に11万ペソを徴収する措置だが、関税庁長官の通達から200日間実施され、その間に政府機関が正式な調査を行って本格的に導入するかどうかが決まる。
仮に正式調査で国内産業に重大な影響を与えていないとの結論が出た場合は、徴収した額は返還されるとしている。
これに対して、完成輸入車を扱うメーカー、販売店はコロナ禍で車の販売が激減している状況では増々売れなくなると反対を表明しているが、先行きは不透明。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=408