これは公式な銀行経由の額であり実際はこの倍はあるのではないかとの見方もあり、国家予算に近い額を海外送金で頼っているのがフィリピン経済との指摘が強い。
これらOFWは『戦士』として政府も専門の庁を作るなど持ち上げているが、世界的なコロナ禍によって契約が切れた、或いは切られて就労国から帰国出来ないOFWが続出している。
労働問題を扱う労働雇用省(DOLE)によると、1年近く帰国出来ないOFWは12万6千人以上で、その内8万2千人は就労国で他の仕事を探すために残る意向となっているが、不法残留、不法就労の恐れが多いと見られている。
なお政府はコロナが世界的流行になってから、これまでに55万人以上のOFWをチャーター機などで帰国させていて、その内37万人以上が出身地へ帰宅している。
残る18万人以上は出身地へ帰れず、首都圏に留まり中にはホームレスになって新たな問題を生じさせた。
それでもOFWの帰国支援は続けられ2021年前半に8万人が帰国する見込みと担当者は見積もっている。
この場合、帰国後のコロナ検査、検疫中の宿泊施設滞在費、自宅のある地方への輸送は全て無料で行うと保証しているが、就労国からの帰国便が飛ばず滞留してしまっているのが実態で、チャーター便を常時飛ばすようなことをしないと解決は難しい。
なお帰国労働者は帰国時に1万ペソ(2万1千円)の支給、海外滞在者には200ドルの現金給付が行われているが、雀の涙であることは間違いない。
こういった苦境に陥っているOFWによって、2020年度の海外送金額は前年比マイナス2%以上になると見られている。
その影響はクレジットカード使用者の支払い延滞率が急増し、9月時点では11.5%に達し、これは2019年末の延滞率から見ると2.5倍に増え、国内経済の疲弊化が露わになっている。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=407