名称は外国人向け特別居住退職者ビザ(SRRV)といい、現在は観光省の管轄となっていて、取得している人数は70520人。
取得者の出身国では中国国籍が1番多い26969人と全体の4割近くを占め、以下韓国14144人、インド6120人、台湾4851人、日本4016人、アメリカ3704人、香港1878人、イギリス1595人、ドイツ792人、オーストラリア752人と続き、その他は4498人。
全体の4割弱を占める中国人は近年急激に増えていて、議会で問題があるのではと指摘され、観光相は見直しを表明した。
SRVVは取得条件を四つのカテゴリーに分けていて、その一つの35歳~40歳はフィリピンの銀行に5万ドル以上の預金、もしくは同額相当のコンドミニアムなどの外国人に許容されている不動産取得が取得要件になっている。
高齢者に対しては年金受給者であれば2万ドルで取得可能となっていて、世界で最も緩い永住ヴィザとして知られ日本人には人気が高い。
しかしながら、49歳以下の取得者は計14987人だが、中国出身が過半数以上の8130人、次いで韓国2257人、インド1891人となっている。
このため、フィリピンでは中国人は中国向けのオンラインカジノ業、韓国人は飲食業、インド人は金貸し業に従事するために安直なこのヴィザ制度を利用しているとの批判が強い。
SRRVは有効期限は無限、起業や就労が出来、永住ヴィザ所持者が支払う出国時の課金など全くなくかなり優遇されているが、他の国の制度では50台半ばから60代半ばで退職するのが普通で、やはり35歳で退職ヴィザが取得できるフィリピンの仕組みはおかしいと前々から問題になっている。
今後どのようにSRRVの条件が修正されるか未定だが、1993年に40歳から35歳に引き下げられた経緯の逆を辿るのではないかと見られているが、引退した人物の余生をフィリピンで送ってもらうためのSRRVが本来の姿に戻るのは確かである。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&config=&command=body&no=510