政府が豚肉の安定供給を取り戻すために、養豚農家への支援や豚肉価格の高騰を抑える対策を打ち出したが、中国南部の一部地域でアフリカ豚コレラが再び確認され、養豚業者の間で不安を募らせている。
コンサルティング会社、山東永益でチーフアナリストを務める鄭莉莉氏はロイター通信のインタビューで、6月中旬、中国南部に発生した豪雨や洪水がアフリカ豚コレラ再発のきっかけとなり、豚肉の安定供給に影響を与えたと話した。
同社が養豚場、食肉処理場など20社に実施したアンケート調査の結果、広東省や広西省各地では豪雨が発生してから、アフリカ豚コレラ再発の報告が数十件もあったという。
中国では、感染した豚を殺処分の後、ほとんど地下に埋めていた。鄭氏は、大雨によって、ウイルスが地下水を汚染し、豚に感染させた恐れがあると分析した。
最新の報告例では6月5日、雲南省麗江市永勝県の養豚場でアフリカ豚コレラの発生が確認された。豚102頭のうち81頭が発病し、発病した豚の全部が死亡したという。
ロイター通信は、報告されなかった感染例はほかにも多数あると伝えた。
広東省のアナリストは「豪雨が7月も続くなら、8月までに四川、広東、広西や江西など各省の養豚数は減少する恐れがあり、20%は下がるとみられる」と予測した。
このアナリストの話によると、中国南部ではほとんどの養豚場が豪雨対策を講じていない。一部地域の養豚数は減少し続け、小型養豚場は最も打撃を受けているという。
「非常に心配している」と広西玉林の養豚農家が不安を漏らした。ここの養豚場は昨年にアフリカ豚コレラに襲われ、今年3月に雌豚を70頭補充したばかりだった。
「今できることは消毒のみだ」「アフリカ豚コレラは非常に恐ろしい病気だ」と話した。
(大紀元日本ウェブ編集部)