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フィリピン航空の第一4半期 過去最大の赤字で倒産危機

 
PALが発表した2020年度第1四半期(1月~3月)の損失額は107億ペソ余(約235億円)に達し、過去最大の赤字を記録した2009年度1年分を上回った。
 
PALによると、第1四半期中で、収益の大部分を占める航空券販売は21.4%の減少、このため総売り上げは18.3%減の321億ペソ(約700億円)となり、経費は5.2%増加した。
 
PALは3年連続して赤字を計上しているために、社内に動揺が走っているが、経営陣はPALを保有している中国系財界人の『ルシオ・タン』に資本の追加を要請している。
 
ルシオ・タンはフィリピンでも有数の富豪で、世界長者番付の常連だが、時の政権と癒着する『政商』との評価もある。
 
ルシオ側のPALへの資本注入だが、昨年は114億ペソ、苦境が伝えられる2020年第1四半期に163億ペソと合計277億ペソの巨額に上り、PAL経営陣が認めるようにこの資本注入がなかったら倒産していた。
 
ルシオ側のPALに対するテコ入れも第2四半期(4月~6月)は第1四半期よりコロナ禍の直撃を受けた期間であり、前期より悪いことは確実視されていて、現状のPALは欧米の航空会社が政府資金注入を受けて経営立て直しを図っていることから、同じようになるのではと見られている。
 
しかしながら、2000年初頭にPALが倒産騒ぎを起こした時に、ルシオ・タンが銀行筋から資金を引き出した手を使うのかどうか注視されているが、親方日の丸的な放漫なPALの経営体質と従業員の改革を計らないと再生は難しいとの指摘も強い。
 
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=396