保健省によると、21日の新規感染者は東ジャワ州が最も多く、502人だった。ジャカルタ特別州での増加数は70人だった。
対策本部はこれまでに、検査体制の強化で感染者が大幅に増加するとの見込みを示していた。21日の検査件数は8092件で、累計の検査件数は21万9975件になった。
報道発表を行う保健省疾病予防・管理総局のアフマド・ユリアント氏は20日、693人の新規感染を記録した際に、「(感染者の増加は)検査が増えたため」としていた。だが21日に再び大きく上回ると、「異常な増加」との認識を示した。
政府は感染が集中する首都圏で「大規模社会的制限(PSBB)」などの対策を実施してきた。だが経済活動が止まり、生活が困窮した出稼ぎ労働者などが地方に流出。感染が全国で拡大する状況になった。
また現在はレバラン(断食月明け大祭)を前にした市場の混雑や一部企業・自営業者の活動再開が問題視されている。制限を守らなくなった人々の行動で感染がさらに拡大する懸念がある。
政府は経済回復に向け緩和案を準備しているが「まだ実行できる段階ではない」(ユリアント氏)とし、国民に制限の遵守を呼び掛けている。
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は4月中旬から「1日1万件」の検査実施を指示しており、5月19日には1万2276件の実施を記録していた。だが日によって変動があり、対策本部には「依然として、人口規模に対して不十分な数」との認識がある。無症状の病原菌保有者や感染者が広まる地域を特定できず、効果的な対策が打てていない。(大野航太郎)
ソース:https://www.jakartashimbun.com/free/detail/51802.html