ウルフパック・リサーチが公表した調査報告書によると、愛奇芸は2019年の売上高を80億~130億元(約1232億~2002億円)水増しした。同社が設立してから今までの10年間に、「一度も黒字になったことがない」との見方を示した。同社は2018年、米ナスダック市場に上場を果たしたが、以前から売上高や、ユーザー人数などを改ざんしていたという。
愛奇芸は、ウルフパック・リサーチの指摘を否定した。同社は中国版のネットフリックス(Netflix)と呼ばれている。
米ラジオ・フリー・アジア(RFA)4月8日付によると、ウルフパック・リサーチの創設者ダン・デイビッド(Dan David)氏は長年、米上場の中国企業の財務報告の真偽を調べてきた。昨年、シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のフォーラムで、デイビッド氏は「技術的に中国企業の財務報告を調べるのは難しくない」と述べた。
また、同氏は7日、ブルームバーグの取材に対して、過去10年間に中国企業の10社余りについて調査を行ったことを明らかにした。「米上場の中国企業はみな、粉飾決算を行っているのに、法的処罰を受けた企業が1社もない」と批判した。
一方、好未来教育は8日の発表で、従業員が外部取引先関係者と共謀して、契約書などを偽造し、売上高を水増ししたと示した。同社は中国北京市に本社を置き、2010年10月、ニューヨーク株式市場に上場を果たした。
4月2日、中国コーヒーチェーン大手「ラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)」は内部調査で、2019年の売上高の改ざんなどの不正行為があったことが分かったと発表した。米マディ・ウォーターズ・キャピタルはすでに今年1月末の報告書で、ラッキンコーヒーが商品販売数や販売価格などを改ざんしたと指摘した。
米証券当局などは長い間、米上場の中国企業に対して、中国国内の財務や会計資料を提出するよう求めてきた。しかし、中国当局は国家機密の保護と称して、米側の調査を拒んできた。
RFAは、過去1週間、相次いで中国企業3社の粉飾決算が報じられたことは、米政府や投資家が中国企業の慣行に不信感を募らせ、調査を続けていることを示したとした。しかし、RFAはこのような独立調査は容易ではないとした。ダン・デイビッド氏は昨年、CSISのフォーラムで、中国企業を調査した際、中国当局から妨害や監視を受けたことを明かした。
米超党派議員グループは昨年6月、米上場の中国企業に米政府による監督を受けることを義務付ける法案を提出した。RFAは、「法案に大きな進展がまだない」とし、米国人弁護士スティーブ・ディキンソン氏の話を引用し、「政界に強い影響力を持つウォール街が阻んでいる」と非難した。
(大紀元:翻訳編集・張哲)
ソース:https://www.epochtimes.jp/p/2020/04/54643.html