フィリピン:政権に批判的な大手テレビ局を 潰しにかかるドゥテルテ
フィリピンで全国ネットワークを展開するテレビ会社は民間で3社、国営2社の5社がある。
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その内、民間ではABS-CBNとGMAが激しい視聴率競争を行っているが、いずれの事業者も政府が事業免許:
ABS-CBNはフィリピンで著名な財閥の一つ『ロペス』が傘下にしていて、既成財閥嫌いで知られるドゥテルテ大統領の意向が強く働いていると見られている。
ドゥテルテは2016年の大統領選で泡沫候補から当選した人物だが、ABS-CBNはドゥテルテ陣営のテレビ広告を流さなかったために、それを恨んでとのレベルの低い話が出ている。
同社の放送免許更新に関しては議会が審議中であるが、政府はそれを待ち切れずに2月10日、最高裁判所に即時営業停止を求める措置に出た。
これは『権限開示令状』といわれ、営業停止や資格、職位解職を最高裁に求める文書で、2018年にドゥテルテに批判的であった最高裁長官を追い払うために使われた手で、政府側に都合よく出来ている。
政府は最高裁への提出理由を『同社の各種の法令違反』を挙げているが、ドゥテルテに批判的な報道機関に対して難癖というべき理由を付けて締め付ける事例は頻発していて、大手英字紙のインクアイラーやネット・ニュースのラップラーなどが、別事業で摘発あるいは責任者が逮捕されている。
この政府の動きに対して、フィリピン・ジャーナリスト連盟(NUJP)は議会や最高裁に対して『権力になびかない報道の自由を守れ』と声明を出し、他の団体も擁護する行動に出ている。
ABS-CBNはこの動きに対して『全ての放送内容は規制当局の承認を得ていて、法に抵触していない』と表明し、正規雇用者と非正規雇用者併せて7500人以上の雇用と、契約を交わしている芸能人3000人の権利を守ると訴えている。
このように意に染まぬ報道機関を潰しにかかり、なびく報道機関に対しては便宜を与えるのは、多くの国に共通していて報道の自由があるとされるアメリカのトランプ、日本の安倍、そしてフィリピンのドゥテルテと露骨な為政者が目立つ。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&command=body&no=491&
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