米ピーターソン国際研究所のシニアフェロー、ニコラス・R・ラーディー氏は11日、第1・四半期の中国の国内総生産(GDP)伸び率が4%まで落ち込む可能性があるとの見方を示した。ウイルス発生前の時点で中国政府が示していた年間成長率見通しは6%だった。
ラーディー氏は一方で、新たな感染者が減少を続ければ、成長への悪影響はかなり小幅にとどまるとした。
S&Pのアナリストは11日、ウイルスの影響によって2020年の中国のGDP伸び率が5.0%に下押しされる可能性があると予想。第1・四半期が影響のピークとなり、第3・四半期には回復が始まるとの見通しを示した。
KPMGのチーフエコノミストで全米企業エコノミスト協会(NABE)会長のコンスタンス・ハンター氏は米経済への影響について、最大2.4%と予想されている2020年の四半期成長率を40─50ベーシスポイント(bp)下押しする可能性があると指摘した。
ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)のチーフエコノミスト代理、ジェイ・ブライソン氏は、航空旅客や電子機器など米国の一部産業は新型ウイルスに起因する中国の景気減速の影響を受ける可能性があるものの、中国との取引が米経済全体に占める割合は依然として小さいと指摘。特にサービス分野で「米国民の個人消費は底堅い」と述べた。
また、サプライチェーンの混乱については、「意味のある影響を生み出すにはしばらくの間(混乱が)続く必要がある」との見方を示した。
ソース:https://www.epochtimes.jp/p/2020/02/51677.html