この事態を受けて世界保健機構(WHO)は1月末に『緊急事態』宣言を出したが、宣言自体が手遅れ状態、しかも中国政府の顔色を伺った内容で国際的な批判を事務局に集まっている。
フィリピンでは宣言が出る以前に、リゾートとして知られるボラカイ島を訪れた武漢からの団体観光客600人以上を中国に送り返すなど強硬な措置を取っていた。
しかし、春節の移動時期と重なり、個人やグループの中国からのフィリピンへの入国はざる状態で、1月21日に武漢から香港、マニラ国際空港を経由した中国人女性のウィルス感染が確認された。
フィリピン国内での最初の感染例であり、この女性と行動を共にしていた44歳の中国人男性が、2月2日マニラ市の病院で同ウィルスによって発症、死亡したことが確認された。
これは中国本土以外としては最初の死者発生であり、容易ならざる局面に入ったことを示唆している。
死亡した男性は1月21日、マニラ国際空港に到着した後、マクタン・セブ国際空港へ乗り継ぎ、同空港から隣のネグロス島に渡り、同地でダイヴィングをしマニラへ戻っているが、1月25日に咳などの症状を訴え、マニラの病院に入院。
その時、同行していた女性がフィリピン国内最初の感染者として報告されている。
こういった事態を受けて当局は中国本土を結ぶ飛行便の停止、入国制限を強化し過去2週間以内に中国、香港、マカオを訪れた外国人の入国を原則禁止する措置を取った。
また、永住者や駐在員など長期滞在ヴィザを持つ同地域からの外国人に対しても、入国は認めるものの2週間隔離して監視下に置くとし、フィリピン在住外国人に動揺が広がっている。
フィリピン衛生当局によると、現在感染疑いで検査隔離しているのは36人で、内30人は陰性と判定されているが陰性であっても厳重な管理下に置かれている。
このように死者が出たとはいえ、国内では大きく広がっていないにも関わらず、国民の間にはマスクを着用する姿が大きく露出し、マスク不足も相まって不安感が増している。
今回の新型ウィルスの正体は解明中で、通常のインフルエンザと同じではないかとの見方もあるが、前回騒がれた『SARS』よりも感染力は強く、罹患者数も遥かに多く警戒感は増している。
通常のインフルエンザでは健常者はダメージは少ないが、体力のない高齢者、乳幼児、持病を持つ人は要注意で、不要不急の外出を避け、外出した場合はうがい、手洗い、消毒を徹底すれば今回の新型ウィルスは防げると専門家は述べていて、無用な恐怖心は要らないと指摘している。
ソース:www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&config=&command=body&no=490