4日夕、「前田」ジャージー(3万5千ルピア)を試着していた西ジャワ州ブカシ市在住の警備員、ジュアン・ランディさんは「服を買いに来るならここ。珍しい服が安く手に入る」とご満悦だった。同市から公共バスを乗り継ぎ、停車所から徒歩で来れることも魅力という。
ジャージーを販売していたアンドレ・サプトラさん(28)は古着屋歴10年だが、胸の漢字が日本人の名前で、学校の体育や部活動で使うジャージーとは知らなかった。しかしそれでも「構わない」。「日本語や漢字が書かれた服は、意味がわからなくてもデザインとして人気がある」という。他に韓国からの輸入服なども販売し、1日30万ルピアほどを売り上げる。
スネン市場では2017年1月に千店以上を焼く大規模な火事があり、店を失った古着店などが市場前の道路に集まっている。午後3時ごろから夜11時ごろまで、歩道と1車線をつぶして営業している状況だ。
だが行政や伝統市場の運営、管理を行う州営パサールジャヤは、営業による交通渋滞の解消と焼け跡での建屋再建工事のため、店の移動を呼びかけている。
行政は1日までに中央ジャカルタ・クナリ市場への移転を促したが、「客が集まらなくなる」として店側が拒否した。現在は、パサール・バルにあるメトロ・アトム・プラザ3階への移転で調整が進められている。
火事で店を失ったフェンディさん(27)は「スネンは中古服屋が集まることで知られ、客も着いている場所。ここから移動してやっていけるのか」と不安を口にした。(大野航太郎、写真も)
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