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中国:南太平洋に新しい国誕生の可能性 中国、すでに14.7億米ドル投資を約束

 
南太平洋の島国であるソロモン諸島、バヌアツ、キリバスは2019年、台湾との外交を断絶した。豪メディア・ナインニュースは調査報道番組「60分(60 Minutes)」のなかで、中国政府はソロモン諸島の議員たちに2万豪ドル(約750万円)の賄賂を振舞って、台湾との関係を断つよう要求していたと伝えた。
 
米海軍の太平洋艦隊司令官を務めたジム・ファネル氏は、南太平洋に対する中国の計画は「緩やかな侵略」であり「拡大主義」によるものだと述べた。
 
ファネル氏によると、南太平洋地域は、米国同盟国であるオーストラリアとニュージーランドの間のチョークポイントにあるため、中国が注力しているとした。
 
ファネル氏は中国側の嘘を指摘する。「中国は以前、軍事施設は太平洋地域に作らないといったが、実際には作った。世界の他の地域でも、艦隊を決して配備しないといった場所にも配備した」さらに、中国は公式に世界覇権を狙わないと明言しているものの、実際は「世界秩序のリーダーになることを狙っている」と述べた。
 
ファネル氏は、中国は、南太平洋の島国と「経済的パートナー」であると説明しているが、実際には同地の経済を牛耳る権力者になろうとしているとみる。各国では、港湾、空港へのアクセス権を増加させており、大量の資金を使って現地政府を買収している。具体的にソロモン諸島の場合、戦略港となるツラギ港、鉱物の豊富なゴールドリッジ鉱山、その他ガダルカナル島の地政学的な要所となる地域だ。
  
「太平洋諸国のキリバス、ソロモン諸島、バヌアツ、フィジーが趨勢となっている。南太平洋を支配するということだ」と付け加えた。
 
ソロモン諸島の島ツラギでは、中国企業・森田企業集団に対して港、石油、ガス、漁業、林業、観光に対する権利を付与する75年のリースを提供したと、豪紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー伝えられている。10月24日、ソロモン諸島政府は、島の賃借契約は違法として破棄されるべきだとの見解を示した。
 
ツラギに土地を所有するマーガレットさんは豪チャンネルナインに対して、中国に島を渡されたくないと述べた。「ツラギは私たちにとても大切な土地。心が宿る場所です」「中国は共産主義の国。そして、ソロモン諸島は民主的な国です」
ファネル氏は、南太平洋諸国に近いオーストラリアにも警告を発している。「もし今立ち上がらなければ、25年か30年後に支配されるだろう」
 
南太平洋に中国共産党寄りの国 新たに誕生か
 
南太平洋の地域で、観光スポットとして有名なパプアニューギニアの一地方、ブーガンビル(Bougainville)は11月23日、独立を問う国民投票を行う。もし独立すれば、2002年の東ティモール以降世界で最も新しい国となる。
 
中国はすでに、この国の誕生に際して新たな道路、空港、高級リゾート地区開発、橋梁、港湾など14.7億ドル相当のインフラ建設を約束している。ブーガンビルはその「担保」として、豊富な銅鉱山を提供する計画を用意している。
 
パプアニューギニア政府軍と抗争したブーゲンビル独立軍を指揮した、元隊長サム・カウオナ(Sam Kauona)氏は現在、新しく誕生すると見込まれる国の最有力大統領候補だ。カウオナ氏は、中国の投資計画を好意的に受け止めている。
 
「中国は超大国だ。ブーゲンビルは最善の取引を自由に選択できる」と述べた。カウオナ氏は、国の独立にあたり、オーストラリアと米国、日本の投資を待っているが、いまだに具体的な提案がないとした。
 
カウオナ氏によると、オーストラリアの鉄鉱石生産大手フォーテスキュー(FMG)とは2019年初めに面会したが「その後は音沙汰なし。本当に関心があるのかどうか、疑っている」という。このため、中国からの開発計画は最有力と見ている。
 
(大紀元:編集・佐渡道世)
 
ソース:https://www.epochtimes.jp/p/2019/11/49131.html