フィリピン:セブの経済特区内企業 滑走路増設計画で退去危機
リゾートとして人気が高く、日本から直行便も就航するセブ州マクタン島のマクタン-セブ国際空港の第2滑走路増設計画で、隣接する経済特区が大きく揺れている。
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マクタン島にはMEZ-1(150ヘクタール)、MEZ-II(50ヘクタール)、セブ軽工業団地(40ヘクタール)と呼ぶ3つの経済特区があり、現在337社が操業中。
その内、1990年代前後から日本企業が多く進出し、現在日系企業の進出は100社近くに上がっている。
マクタン-セブ国際空港は戦時中に日本海軍が使用していた歴史を持つ空港だが、現在周囲を住宅地に囲まれ拡張できる余裕はなく、MEZ-1内に所有する30ヘクタールの土地を使って、そこから海上に向かって滑走路を伸ばせば可能という計画を立てた。
直接の影響を受けるMEZ-1では、直接雇用で5万7千人、マンパワーなどの非正規雇用者が25万人以上と巨大な労働環境となっている。
MEZ-1の敷地は過去に空港用地を利用して拡大させた歴史を持ち、今回の滑走路計画はその拡張した部分が使われるため、経済特区を管轄する上級組織のPhilippine Economic Zone Authority (PEZA)の見通しの甘さも問題となっている。
空港運営当局は将来を見据えて、現在ある1本の滑走路だけでは急増する乗客需要に対応できないと見て、第2滑走路増設計画を作ったが、この計画が実現するとMEZ-1内で操業する多くの企業の退去が必要となり、その損失額は1500億ペソ(約3000億円)程度と見積もられている。
そのため、PEZA当局は空港運営当局に計画の見直しを要求し、セブ日本人商工会議所などの外国人企業団体などからも同様の声が挙がっている。
仮に第2滑走路計画が実現した場合、退去した企業の受け皿として、日本の借款で埋め立てられたセブ市の南部埋め立て地(SRP)が候補に上がっている。
実際、受け皿としてSRPを切り売りしているセブ市などはPEZA当局と話をしていて、その場合埋め立て地総面積300ヘクタールの内、40~50ヘクタールが必要と見られている。
しかし、SRP内には大型ショッピングモールや不動産開発業者によってコンドミニアムなどが既に建設されていて、そういった環境に工場を実際に誘致、稼働できるかは法律的な問題が横たわり、容易ではないとの指摘もある。
ソース:www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=388
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