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インドネシアの造船事業

 
記者: そうだね。島の数が多く、周辺諸国と比較して物流コストが高いインドネシアでは、安全かつスムーズに運行できる船舶の建造や、港湾の整備が急務だ。造船は関連企業が250社以上あるよ。
 
クナパくん: 造船は主にどこで盛んなの?
 
記者: 経済特区リアウ諸島州バタム島にシンガポールなどの外資系企業が造船、修理設備を構えているよ。スラバヤ市近郊やスラウェシ島にも造船所が点在している。
 
クナパくん: 日本の会社は?
 
記者: 15年には造船・海運事業を手がけるツネイシホールディングス(本社・広島県福山市)が造船所を建て、修繕・建造に乗り出す方針を表明したけど、実現していない。外資系企業は貨物輸送需要は多いとみるけど、事業環境の未整備や市況を考慮し、他国に投資するケースが多いんだ。世界的に貿易の勢いが停滞気味の現状では、造船業のインドネシアへの投資意欲は、総じて強くないよ。
 
クナパくん: 政府は国営企業などに輸入船舶の購入を制限する方針を示しているけど、国内建造の技術発展は?
 
記者: 現在の船舶の多くは輸入の中古船で、国内で建造する場合も図面を外国から導入するケースが多いね。そこで政府は国立スラバヤ工科大学(ITS)などに設計ができる人材の育成を求めている。
 
クナパくん: 日本が協力できることはある?
 
記者: 独立行政法人の海上技術安全研究所が、船舶技術などで研究協力する内容の覚書(MOU)をITSと結んでいる。また、18年9月には、インドネシア工業省幹部が国土交通省の海事局長を表敬訪問。同省の支援で、日本で造船技能人材セミナーを実施するなど、協力を深める姿勢を見せているよ。
 
クナパくん: 日本は港湾整備では参画している。造船事業でも協力できればいいね。
 
(平野慧)
 
ソース:https://www.jakartashimbun.com/free/detail/49691.html