シュライバー氏は10月1日、ワシントンで開かれたシンクタンク・ブルッキングス研究所主催の米中戦略に関するセミナーで、台湾に対する北京の圧力について発言した。
シュライバー氏によると、米国は「台湾関係法」に基づいて、台湾の安全保障協力を強化することができるとした。
また、過去の毎回の選挙と同様に、中国共産党政府が2020年台湾総統選に介入するのは間違いないとした。「今回は、ソーシャルメディアやインターネットで情報を操作するなど、複雑になる」
9月中旬、南太平洋のソロモン諸島とキリバスは台湾と断交し、北京と国交を結んだ。シュライバー国防次官補は米議会の公聴会で、現在、台湾と国交のあるパラオ、マーシャル諸島は北京の圧力に直面していると述べた。
米国議会はさらに、台湾との外交関係の安定を目的とする法案「台北法」の可決に動いている。米上院外交委員会は9月25日に「台北法」を可決した。法案を提出した共和党のコリー・ガードナー上院議員は、太平洋の2国の断交の背景には、中国共産党政府の圧力があり、台湾の民主主義にとって重大な脅威だとした。また、「米国は常に台湾と共にある」と語った。
「台北法」は上下両院の本会議を通過した後、大統領の署名で発効する。
ワシントン拠点のシンクタンク・グローバル台湾リサーチセンター客員研究者である陳方隅氏は米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に答え、中国共産党政府は国内に向けてアピールするために成功を求めていると語った。中国国内では、米中貿易戦争による経済減速、失業率の高まり、豚コレラの蔓延による物価の高騰など、国民生活に関わる問題が山積している。
このため、台湾総統選を前に、北京は台湾の国際的な言動空間をさらに狭めていくと見ている。引き続き、ハイチやツバルなど、台湾の国交国に圧力を掛けていくものと予想する。
いっぽう、陳氏は、こうした中国政府による他国への台湾断交の圧力は「限定的」とみている。台湾国内の最近の世論調査によると、台湾人の半数以上が国交国の減少は、台湾に影響を与えるとは考えていない。こうした国交を結ぶ国との貿易取引は多くなく、その影響は大きくないためだ。
9月にソロモン諸島が台湾と断交を発表したのち、台湾公益財団が実施した台湾での世論調査によると、53%の人々は外交関係の減少に懸念を表明したが、半数に過ぎなかった。
5月中旬、米国と台湾の国家安全保障担当高官が断交以来40年ぶりに米ワシントンで会談した。7月には米国防総省が、台湾へ過去最高額となる22億ドル相当の武器売却計画を米国務省が承認したと発表した。
(大紀元:翻訳編集・佐渡道世)
ソース:https://www.epochtimes.jp/p/2019/10/47842.html