前党首の汚職疑惑に見舞われた極右の自由党は大きく勢力が後退した一方、緑の党が躍進。クルツ氏には今後、連立政権樹立に向けてどちらと組む選択肢も残されている。
国民党は自由党と連立を組んで政権を運営していたが今年5月、当時の自由党党首で副首相を務めていたハインツ・クリスチャン・シュトラッヘ氏を巡るスキャンダルが発覚し、自由党が連立を離脱。その後クルツ内閣の不信任案が成立し、解散総選挙につながった。シュトラッヘ氏が、ロシア人の富豪関係者と名乗る女性に対して選挙支援の見返りに便宜供与すると約束した様子が撮影された動画が報じられた。
ただ今回の選挙では、世論調査機関が郵送投票以外を独自集計したところ、国民党は37.1%の得票率を記録。第2位の社会民主党の21.7%を大きく上回った。自由党は16.1%、緑の党は14.0%だった。
クルツ氏は「厳しい4カ月間だったが、有権者は再びわれわれを支持してくれた」と語った。連立相手の具体的な希望は表明せず、まずは全ての政党と協議する考えを示した。
最も可能性が高いのは自由党と再び手を組むか、緑の党と連携する道で、3党が連立する事態もあり得る。社民党との中道連合も確立はゼロではないが、それぞれの現指導部の下では実現する公算は非常に乏しい。
ソース:https://www.epochtimes.jp/p/2019/09/47705.html