フィリピン:死刑制度復活を巡って 割れる議会と世論
4年目に入ったドゥテルテ政権だが、オリジナルの政策はそれ程成果を見せていない中、大向こう受けを狙って『死刑制度』復活を目論んでいる。
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フィリピンは1987年にアキノ(母)政権時に死刑制度を廃止し、これはアジアで最初となり賞賛された。
その後アキノの後継者となった軍出身のラモスによって1993年に復活し、次のエストラダでも維持されたが2006年、アロヨ政権によって死刑停止措置が取られ現在に続いている。
この死刑復活について、2018年10月の世論調査では30%程度の賛成しかなく、反対は54%と多数派になっている。
これはフィリピンの政界に影響力のあるカトリック組織が復活に対して反対を唱えていることと関係があり、政権はカトリックの反対指導者に対して罵声を浴びせているが、カトリック側の反対意志は固いとされている。
この死刑復活法案は既に下院では可決されていて、上院の可決を待つ状態になっているが、上院定員24人の中で、賛否が分かれていて成立は微妙な状態となっている。
賛成派は5月の上院選で大統領が推して当選した元国家警察長官など、警察出身議員を中心に与党議員で11人と過半数に迫り、可決の可能性が高まっている。
一方、反対派は死刑復活は犯罪抑止にならないとして、次期大統領候補として有力な議員や野党自由党を中心にまとまっているが、与党側議員でも賛否を表明しない議員もいてこの問題の複雑さを現している。
こういった中、上院議長は『違法薬物の重大犯にのみ死刑を適用する』という法案なら、定数24人中13~14人の賛成が得られるのではとの見通しを示し、可決の可能性が高まっている。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&command=body&no=483&
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