16~18日までの日程でロシアを訪問する李首相は出発前、イタルタス通信の取材を受けた。首相は、「複雑な国際情勢を背景に、中国経済は6%以上の中高度成長を維持するのが非常に難しい」との見解を示した。
中国当局は今年の国内総生産(GDP)成長率目標を「6~6.5%」に設定している。しかし、米中貿易戦の影響で4~6月期のGDP成長率は6.2%にとどまり、30年ぶりの低水準となった。
中国国家統計局が16日発表した8月工業生産は前年同月比4.4%増で、7月と比べて0.4%下落。伸び率として、2002年2月以来、17年半ぶりの低水準となった。
国内消費動向を示す8月の社会消費品小売売上高は同7.5%増だった。7月から0.1%下落した。小売売上高は過去十数年、10%以上で拡大してきた。2017年12月以降、同指数の伸び率は10%以下の水準で推移し、消費低迷を反映した。
また1~8月までの固定資産投資は同5.5%増で、1~7月と比べて0.2%減少した。
中国経済をけん引力する生産、消費、投資の不振が鮮明になった。
ロイター通信16日付によると、中国のアナリストは、8月の経済指標は事前予想より下回り、中国経済の下振れ圧力が非常に大きいとの見方を示した。
中には、中原銀行のチーフエコノミスト、王軍氏は7~9月期のGDP成長率は6%まで低下すると予測した。同氏は、現在、不動産市場と自動車販売の低迷が、消費の落ち込みの主因だと指摘した。
中国黄金集団のチーフエコノミスト、万喆氏は8月の経済指標は中国経済の構造的問題を反映したとの見解を示した。問題解決には「市場化を一段と推進することが唯一の方法だ」とした。
(大紀元:翻訳編集・張哲)