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アメリカ:トランプ氏、米は「臨戦態勢」 サウジ石油施設攻撃で

トランプ氏はツイッターに「われわれは誰が攻撃したか知っていると考える理由があり、確認次第で弾は装てん済み(locked and loaded)だ。ただ、サウジが誰による攻撃と判断するか、そしてわれわれとしてどのように進むかを見極めようとしている」と投稿した。

これより先、米政府高官は14日の攻撃について、犯行声明を出したイエメンの親イラン武装組織フーシ派ではなく、イランが背後にいたことを示す証拠があると述べた。

ポンペオ米国務長官も「攻撃がイエメンからのものであることを示す証拠はない。緊張緩和を求めるあらゆる呼び掛けにもかかわらず、イランは世界のエネルギー供給への前例のない攻撃を行った」との見方を示している。[nL3N266001]

イラン外務省のムサビ報道官は、米国の非難は「的外れ」と一蹴。タスニム通信によると、イラン革命防衛隊の幹部は「イランの周辺2000キロ以内にある米軍の基地や空母はわれわれのミサイルの射程圏内だ」と述べ、イランは「全面」戦争の用意ができていると警告した。

前出の米政府高官は匿名を条件に、サウジ施設の19カ所が攻撃を受けたと指摘し、南のイエメンではなく、ターゲットの西北西の方向から仕掛けられた攻撃だったことを示す証拠があると述べた。また、攻撃に巡航ミサイルが使用されたことを示す兆候があるとの見方をサウジ当局者が示したことも明らかにした。フーシ派は無人機(ドローン)10機で攻撃したとしている。

米政府高官はその上で、「イランに責任があることに疑いはない。どう見ても否定のしようがない。他に実行した可能性のある者はいない」と述べた。
サウジは今回の攻撃について、誰が実行したものかまだ判断を示していない。

<原油急伸>

こうした中、原油先物は一時15%超急伸した。その後トランプ大統領が、必要に応じて米戦略石油備蓄を放出することを承認したと明らかにし、上げ幅を縮小した。[nL3N26705L][nL3N2660NA]

アラムコは生産再開の見通しを明らかにしていない。事情に詳しい関係筋はロイターに対し、生産能力の完全な回復には「数日ではなく数週間」かかる可能性があるとの見方を示した。

サウジ政府は在庫を放出して不足分を補うと表明した。公式統計によると、サウジの石油在庫は6月時点で1億8800万バレル。

RBCキャピタル・マーケッツのグローバル商品戦略責任者ヘリマ・クロフト氏は「(攻撃を受けた)アブカイクの石油施設はサウジのエネルギーシステムの中枢であり、仮に向こう24─48時間以内に輸出が再開されたとしても、難攻不落のイメージは一変した」と指摘した。

前出の米政府高官によると、アブカイクの施設では17の構造物の西北西側が、クライスでは2カ所が攻撃を受けた。

コンサルティング会社ラピダン・エナジー・グループは、攻撃後のアブカイクの画像では一部の設備が破壊されているように見えるとし、再建に数カ月かかるとの見方を示した。そうなれば生産減少が長引く可能性がある。ただ、ラピダンは「アラムコは、保守作業中も生産を継続するためにシステムに一定の重複を持たせている」とし、比較的早期に攻撃前の水準の生産を回復できる可能性もあるとの見方も示した。

<国際社会は自制呼びかけ>

イラクでは一部のメディアが、攻撃はイラクから行われたと報じた。イラク政府は15日、報道を否定し、攻撃拠点としてイラクを利用するものは罰すると表明した。イラクではイランの支援を受ける武装勢力が影響力を強めている。

イラクと国境を接するクウェートは、自国の領空を飛行する無人機が発見されたことを受けて調査中で、サウジなどと協力していると明らかにした。

国連のグテレス事務総長は攻撃を非難した上で、すべての関係者に自制を求めた。欧州連合(EU)も、攻撃は地域の安全保障を大きく脅かすものだと非難し、一部加盟国は自制を呼びかけた。

トランプ大統領は先に、今月行われる国連総会でイランのロウハニ大統領と会談することはあり得るとしていたが、15日には、前提条件なしでイラン当局者と会談する用意があるという報道は正確ではないとツイートした。
 
サウジのムハンマド皇太子はトランプ大統領に対し、サウジは「テロリストの攻撃」に対処する用意があると伝えた。

ソース:https://www.epochtimes.jp/p/2019/09/47240.html