英国が合意のないままEUから離脱した場合、英経済は2020年に「大幅なリセッション(景気後退)」に陥る可能性があり、ユーロ圏の成長見通しも「著しく低下」すると警告した。
ユーロ圏の成長率見通しは2019、20年ともに1.1%に下方修正。6月時点では19年が1.2%、20年は1.3%と予想していた。
フィッチは最近のユーロ圏の成長低迷について、中国の景気減速も大きな要因になっていると指摘した。
中国の成長率は19年が6.1%、20年は5.7%と予想し、それぞれ従来予想の6.2%と6.0%から引き下げた。
米国の成長率も下方修正し、19年が2.3%、20年が1.7%と予想。従来予想は2.4%と1.8%だった。
アジア太平洋諸国については、世界経済を巡るリスクが高まる中でも見通しはおおむね安定的で、見通しが「ネガティブ」なのは香港のみとした。
主要中銀の政策にも言及し、7月の米利下げ以降に世界経済の下振れリスクが高まったことから、米連邦準備理事会(FRB)は12月に25ベーシスポイント(bp)の追加利下げを行う可能性が高いと指摘。その後は2020年を通じて金利を据え置くとの見方を示した。
また、欧州中央銀行(ECB)が10月の資産買い入れ再開を含む大規模な緩和策を非常に近いうちに発表すると予想した。ECBは今週12日に理事会を開く。