首都圏で計画停電 ジャカルタ全面復旧 ブカシ、ボゴールで遅れ
首都圏を含むジャワ島西部広域で4日午前から発生した停電で、国営電力PLNは5日午後5時50分、ジャカルタでは電力が完全復旧したと発表した。西ジャワ州ブカシや同州ボゴール、バンドン、バンテン州の一部地域ではまだ復旧していない。同日、首都圏を中心に一部で計画停電を実施したが、大量高速鉄道(MRT)や首都圏専用電車(KRL)、オフィスビルやショッピングモールなどに影響はなかった。
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PLNによると、大規模停電の原因は、中部ジャワ州ウンガラン〜プマランを走る500キロボルトの高圧送電線に支障があったためという。4本ある送電線のうち、1本に問題が生じ、1本はメンテナンス中だったために送電できなくなったという。日曜日は電力需要が低いため、定期的なメンテナンスを行っていた。送電線には木がかかっており、原因の一つとみて詳しく調べを進めている。この影響で東から西への送電が途絶え、ジャワ島西部の各発電所が停止し、23カ所の超高圧変電所が停止していった。5日現在も同送電線の復旧作業を行なっている。
PLNは当初、原因としてバンテン州にあるスララヤ火力発電所にあるガスタービンが停止したとしていたが、同発電所にガスタービンはなく、送電が途絶えた影響で停止した発電所の一つと訂正した。
PLNは5日、段階的に中央ジャカルタ区タムリン通りやスディルマン通り、タナアバン、南ジャカルタ区のポンドックインダ、チランダック、クニンガン、マンパンなどで計画停電を実施した。地元メディアによると、5日以降もブカシなどで計画停電をする可能性があるという。
現在は、発電所12カ所と全23の超高圧変電所が稼働している。
事態を受けてジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は5日午前、南ジャカルタのPLN本社を訪れ、復旧が遅れている原因について説明を迫った。2002年にも発生したジャワやバリでの大規模停電の教訓を生かすべきだとし、迅速な対応を求めた。
PLN側は近年、ジャワ島西部地域での電力需要が高まっているとし、西部地域に発電所を建設することを解決策の一つとして提案した。
インドネシア商工会議所(カディン)のジョニー・ダルマワン副会頭は地元メディアに対し、大規模停電による損害額は900億ルピアに達するとの推計を発表した。PLNは当初5時間程度としていたが、12時間以上続いた地域もあり、今後計画停電も含め長期化すればさらに損害が増えると懸念を表明した。
ホテルやショッピングモール、給油所などをはじめ、配車サービスにも多大な影響が出ているとし、「海外では大震災でもなければあり得ない事態。政府は緊急時の対応に配慮する必要がある」と強調した。
国家警察はPLNと連携し、大規模停電の原因を捜査する方針を表明。送電の技術的問題のほか、刑事事件の疑いについても調べるとしている。
(じゃかるた新聞:上村夏美)
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