50社超の外国企業が中国から撤退 北京は引き止めに奔走
米中貿易戦争の影響で外国企業の中国撤退の動きが加速する中、中国政府は引き止めに躍起になっている。
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米中貿易戦争は間もなく1年を迎え、この間にアップル社や任天堂など50を超えるグローバル企業が中国からの生産ライン撤退を発表している。
中国商務部の高峰報道官は11日、外国企業に大規模な撤退の動きはまだないと述べたが、報告によれば、外国企業だけでなく中国のパソコンなど電子機器メーカーも相次ぎ中国から拠点を移している。
シャープのパソコン子会社、ダイナブックの覚道清文社長は日本経済新聞に対して、「われわれは関税を避け、アメリカに製品を輸出する資格を維持し続けなくてはならない」と述べた。ダイナブックはノートパソコンのほぼ全量を上海に近い杭州で生産している。「今のところ、アメリカによる第4弾の関税は保留になっているが、いつ何が起こるか分からない」と話した。
アップル社も中国で生産する製品の15~30パーセントを占める携帯電話ついて、生産ラインを中国から撤退させる方針だ。同社がワイヤレスイヤホンAirPodsの試験生産をベトナム工場で開始する予定だという報道も出ている。こうした試験生産は将来の大規模生産の準備のために行われるのが通常だ。
また、アメリカのヒューレット・パッカード社(HP)とデル社も、ノートパソコンの生産量の30パーセントを東南アジアなどの地域に移動させることを検討している。家庭用ゲーム機大手の任天堂も生産ラインの一部を中国からベトナムに移動する予定だ。
北京市はこうした影響を減らすため外国企業、特にアメリカ企業に特別の優遇措置を与え始めた。そのうちの一つは、アメリカの大手電気自動車販売テスラ社に与えられたようだ。同社は現在、上海に新工場を建設中だが、早ければ来月にも従業員の募集をはじめる。地元政府から用地や資金の面で「高度な」優遇措置を得ていると思われる。
李克強首相は2日、大連で開かれてた世界経済フォーラムの夏季ダボス会議で、金融部門における外資の出資規制撤廃の予定を1年前倒しして2020年に実施すると表明した。また、自動車を含む製造業部門の開放も進める考えを示した。米国との貿易戦争で進む外資撤退への危機感が背景にあり、米国との協議で譲歩策として示した可能性もあると日本経済新聞が2日付の記事で指摘した。
アジアソサエティ政策研究所副所長で元米国通商代表部次席代表代行のウェンディ・カトラー(Wendy Cutler)氏はニューヨーク・タイムズ紙に、米中貿易関係は今の大きな不確定性から、元に戻ることはもう不可能だと述べた。
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