2019年は、3月に民政復帰の総選挙が行なわれ、求人数は減少。失業率は1%前後と、周辺の国よりも売り手市場が続いています。また日本人求職者については、40代から50代にチャンスが増加しているとのこと
■■タイ■■
米中貿易摩擦の影響が出始め、中国系企業がタイ進出に関心
【求人数】
対前年四半期比 74%
対前四半期比 79%
JAC Recruitment タイランド法人社長 山下 勝弘
3月に行われた総選挙では軍政派が勝利したものの、民主的な選挙を経た政権であることを受け、欧米との関係正常化が始まる気配があります。また、タイはG20の構成国でないものの、ASEANの議長国として首相が招待されるなど、国際社会との距離感は良好な状態となりつつあり、勝者如何に関わらず、結果として選挙を行った事自体が経済にはプラス影響になることが予想されます。とはいえ、選挙の組閣がやっと行われるという状況であり、まだまだスピード感があるとは言えない状況です。
【企業の採用動向】
4月~6月にかけては選挙結果の様子見だったことが要因となり、全体的には求人数は減少となりました。
米中貿易摩擦の影響で多くの中国系企業がタイの工業団地に進出や移転することに関心を持っており、それらの企業はバンコク東部エリアを中心に、進出することが予想されます。それにより、売り手市場の状況に拍車がかかることで採用がさらに難しくなる可能性があります。外資系企業よりも年収が低い傾向の日系企業にとっては、人材確保が困難を極めることが考えられます。給与テーブルなどの制度を抜本的に見直す日系企業も多く、本社の制度にとらわれない新しい考え方を取り入れる動きが必要です。
【求職者の動向】
タイ人求職者側の動きは選挙結果や米中貿易摩擦に影響されることはなく、失業率は依然として1%前後と周辺国よりも売り手市場が続いています。一方で日本人求職者においては増々、40代~50代のチャンスが増加しており、日本で起こっているミドル人材の転職者増加の現象がタイの日本人現地採用にも派生していると考えられます。
・その他各国については、以下で御覧ください。
アジア各国のホワイトカラー人材紹介市場の動向 2019年4月~6月|JAC リクルートメント
ソース:https://www.thaich.net/news/20190730oa.htm