• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • copy

ベトナム:履物産業の未来は次のレベルへ

ベトナム:履物産業の未来は次のレベルへ

履物産業のリーダーによると、ベトナムの履物業界はEU-ベトナム自由貿易協定(EVFTA)の恩恵を受けることになるという。

この記事の続きを読む

 
ベトナム皮革・履物・カバン協会(Lefaso)のDiep Thanh Kiet副会長は、本協定の施行後の見通しに関して強気の姿勢である。7年後にはヨーロッパに輸出されるすべてのベトナム製履物製品にはゼロ関税率が適用されるが、皮革製品および履物製品の約37%はEVFTAの施行と同時に関税がゼロに引き下げられる。同氏は、EVFTAが今後数年間でベトナムの履物製造業者の主要な原動力になるだろうと強調した。
 
2018年に、EU市場は履物輸出売上高160億米ドルの29%を占めた。ベトナムからEUへの履物輸出はFTA施行の初年度で12%を超え、その後の数年間で10%増加すると予測されている。さらに、EUは一般特恵制度(GSP)の下、ベトナムから輸出する多数の製品に優遇措置を与えている。
 
「この構想はEVFTAによる関税引き下げと相まって、EU市場でベトナムの履物製品が中国製品よりも競争力を高めるのに役立つでしょう」とKiet副会長は述べ、履物製造業者はEUが定める関税を遵守することが求められていると言及した。
 
Coats Phong PhuのBill Watson社長によると、日本と韓国とのEU貿易協定の発効後、CoatsのEUへの輸出は劇的に増加したという。
 
Watson氏は、ベトナム製ブランドがヨーロッパの顧客の信頼を得ていると述べた。これは、低コストの基盤と改善されたインフラと相まり、ベトナムは外国人投資家にとって理想的な目的地になるだろう。
 
イタリア履物・皮革・なめし機械製造者協会(ASSOMAC)のGabriella Marchioni Bocca会長は、ベトナムの履物メーカーは製品の品質と製造プロセスをヨーロッパの基準に合わせるべきだと述べた。
 
同氏は、ベトナムは現在、輸出量においては世界第2位の履物輸出国であるが、そのほとんどが合成材料の使用により制限されていると指摘した。それゆえに、彼女はベトナムの履物メーカーが技術およびバリューチェーンををアップグレードし、世界の履物産業に浸透していくことを提案した。
 
ベトナム税関総局によると、ベトナムからEUへの履物製品輸出は2019年の最初の5ヶ月で約19億8000万米ドルに達し、国の総輸出売上高の27.9%を占めたという。
 
ベトナム皮革・履物・カバン協会(Lefaso)は、競争力のある人件費のおかげで、ベトナムの皮革産業および履物産業には多くの利点があると述べた。過去数年間で、FTAに先んじる機会を活用するだけでなく、人件費の恩恵を優位性を活用するため、履物加工の受注が中国からベトナムにシフトしてきた。
 
2月、Changshin Vietnam Co.がベトナム南部のドンナイ省のTan Phu工業団地に1億米ドル相当の履物工場を開設した。14.3ヘクタールの面積を有するこの工場は、2020年に操業を開始予定、毎年2700万足を超える靴を製造する予定である。
 
Adidas、Nike、Pumaなどの世界的な履物ブランドは、手頃な人件費とFTAにより製造業のニーズのためベトナムにますます注目を集めている。
 
Adidasは、2019年末までにベトナムは同社履物製品のうち半分以上の生産を見込んでいる。Nikeは5年以上前にベトナムへの投資を始め、現在ではベトナムの履物輸出のほぼ半分をNikeが占めている。一方、Pumaはベトナムで同社製品の30%を製造している。
 
今後のEVFTAの施行とともに、海外ブランドからの投資の増加は、ベトナムの履物産業に大きな後押しを与えるだろう。その結果、ベトナム皮革・履物・カバン協会(Lefaso)は今年の同産業の輸出売上高が最大220億米ドルに達すると予測している。
 
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3961.html

この記事の提供会社

logo

中国プラスワン時代に必須!  東南アジア地域アパレル生産情報の決定版

http://apparelresource.asia/

メルマガ会員  
 

出島