7月16日に高等裁判所で行われた第1回弁論でプルデンシャル側は、タン被告による代理業者引き抜きで被る損失は2025年までが3億Sドル(約239億円)で、代理業者が永続的にプルデンシャルに所属していた場合、25億Sドルになると主張した。
タン氏は元国軍士官で、1997年にプルデンシャルの代理業者になり、2006年には代理業者グループのリーダーになった。その後、自分の息のかかった代理業者の組織としてピーター・タン・オーガニゼーション(PTO)を設立。16年にアヴィヴァに転籍した。PTOに所属した代理業者は500人余り。代理業者グループのうち最大の稼ぎ手だった。このうち200人弱が同年6月の3日間に、プルデンシャルをやめ、その後に数十人が追随した。
プルデンシャル側の弁論によると、アヴィヴァは引き抜き資金を用意。タン被告は集団での移籍を秘密裏に仕組み、5月にグループの代理店と広州旅行をした際、移籍同意書に署名させたという。タン被告はほかの代理業者への影響力が大きく、アヴィヴァに転じたのは信託義務違反だとプルデンシャルは主張した。